美容室の経営戦略マニュアル!集客・採用を成功させるポイント
最終更新日:2024年04月19日
現在の美容室市場は、過剰な店舗数の拡大と、それに追いつかない人材確保という問題点があります。
「集客」と「採用」の2軸を戦略的に行っていくことが、美容室の経営において必須となりました。
この記事では、これからも生き残っていく美容室になるための経営戦略についてまとめています。
美容室経営の基本戦略~売上編~
美容室に関わらず経営において売上の確保・向上は必須です。
売上に関する要素としては、以下の点があります。
- 空席をつくらない
- 客単価の向上
- リピーターを増やす
集客力×空席マッチング
空席をなるべくつくらず、稼働率を100%に近づけるためには、2つの要素があります。
それは「集客力」と「空席とお客様のマッチング」です。
美容室の集客手法や広告などは様々ありますが、ただ多くのお客様に知ってもらい来店いただくだけでは足りません。
稼働率を上げ無駄をなくすには、空席状況をお客様に伝える手段が必要です。
空席状況の発信
多くの美容室が利用しているホットペッパービューティーなどの予約サイトなども確認ができるようになっていますし、店舗の公式サイトにおいて確認できる仕組みを用意している場合もあると思います。空席確認ができるのは現状では必須です。
ただお客様側から確認に来るという、どちらかというと受動的な発信のため、店頭で予約なしでOKかわかるようにする、メールやLINEで空席状況をご連絡するといった発信も、来店するきっかけづくりとして有効でしょう。
美容室の集客手法
各種予約サイトの活用や、地元紙・地元情報のポータルサイトなどは比較的低コストで実施しやすく、すでに取り組んでいる店舗も多いかと思います。
ただし集客の入り口を他社のサービスや媒体だけを頼りにしている状態は、他社の都合で集客に影響が出るリスクも抱えています。そのため同時に自力での集客力を高められるようにするべきです。
取り組みやすいものはGoogleマイビジネスに店舗情報を登録し、MEO対策並びに口コミを集めるといったことでしょう。
地図検索で上位に出やすくなり、商圏となる近隣エリアでの認知が高まります。
オウンドメディア
自力での集客力を持つためには、オウンドメディアやポジショニングメディアを通じたコンテンツマーケティングが有効です。
オウンドメディアとは自社で運用・運営しているメディア全般を指します。
例えばインスタグラムやYouTubeで、スタイリングやヘアケアなどの知識を発信する美容室や美容師の方が増えていますが、このようにユーザーが求める有益な情報をオウンドメディアを通じて発信することで信頼感を醸成することができます。
オウンドメディアでは公式サイトのブログや、sns、YouTubeチャンネルなどが始めやすいでしょう。
例えば動画であれば、バズらせて認知拡大という使い方以外にも、お客様から相談の多い事柄を動画コンテンツ化しておきURLを共有すれば、来店時以外の接点づくりにも活用できます。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアは、コンテンツマーケティングでの信頼感の醸成と、競合との比較・差別化を同時に可能にするWebマーケティング戦略です。
ポジショニングメディアではバリュープロポジションを軸に、自社と相性の良いお客様を中心に集客することができます
ポジショニングとあるように、商圏エリア内での自社ならではの強みや特徴を示し、あるニーズを持つお客様にはA美容室がいいが、別のニーズの場合は自店が最適と比較して見せることで、魅力をしっかりと認知して来店してくれるのです。
集客の方法から他社と差別化することができ、ポジショニングメディアを制作すること自体がブランディングや認知の確立、シェア拡大などに寄与します。
客単価の向上
お客様ひとりあたりの単価アップは売上を上げる重要なポイントです。
当然ですが単純な値上げは避けるべきで、割引のセットプランや商品販売などに取り組んでいくのが基本になります。
またお客様のニーズに合わせて、新しいメニューの追加なども検討しましょう。
単価アップのためのメニュー追加例「アイブロウ」
最近では「アイブロウ」を取り入れる美容室が増えています。眉が与える印象は大きく、ヘアスタイルとの関連性も大きいものです。
注目される理由として、施術に必要となる美容師免許をすでに取得していること、そして新しい機器の導入といったコストがかからないという点です。
また眉はその印象の大きさから変化を感じやすく、満足感も感じてもらいやすくなります。
ただの眉カットとは違うため、骨格に合わせて形を整えたりなど専門知識を学んでおく必要はあります。
本格的に取り入れる際には、アイブロウスクールで技術力やデザイン力を得ることも視野に入れておきましょう。
差別化ポイントがあるかを意識
トリートメントやカラー、ヘッドスパ、エステなどはメニューとして導入している店舗が多いですが、競合と同じメニューであっても、どこか差別化できるポイントをつくろう、という意識が重要です。
施術に使う薬剤の違いだけではなく、どういった点にこだわって施術するのかという想いも差別化のポイントになります。
専門店レベルでこだわり抜き、PRすることで、それを求めるお客様の来店のきっかけになったり、単価アップにつながります。
メニューを考えるにあたってはお客様にどんなニーズがあるのか知る必要があります。例えばアンケートの回答に割引特典をつけるなどして、直接お客様の声が聞ける機会を積極的につくりましょう。
リピーターを増やす
何度も来店いただけるお客様を増やすことで、顧客数が底上げされていき売上アップにつながります。
来店回数に応じたポイント付与や、それによる割引や商品との引き換えといった特典を導入している店舗も多いかと思います。
ここでも差別化を意識した特典にできると、何度も通うメリットが明確になるため、独自性を伝えられるようにしてください。
リピーターになってくれるかどうかは、初回来店時の満足度が非常に大きいです。例えば店舗の強みに魅力を感じて来店されているようであれば、お客様の期待を超えられるように丁寧なヒアリングと施術が重要です。
またそもそもの接客マナーやサービスの質も、当然高いレベルにしておく必要があります。
特に注意するべきは、安さを理由に来店されている場合です。多くの美容室では初回割引があり通常よりも高い割引率でサービスを提供しています。
しかし価格の安さだけが選ばれる基準になってしまうと、価格競争に陥ることになります。
安さをきっかけに来店したお客様に「どんな強み・魅力をもった美容室と感じてほしいか」という点は必ず意識しましょう。
得意とするメニューや、満足感を感じてもらいやすいメニューがあれば初回無料とするなどして、ただの美容室のひとつとして埋もれない、自店舗ならではの印象を持ってもらえるようにしてください。
数ある美容室の中で、なぜこの美容室に行っているのかがお客様の中でも明確になればリピート率の向上も期待できます。
美容室経営の基本戦略~採用編~
まず採用に関しても、新卒学生や求職者が自社を選ぶ理由が明確になっているかという点をチェックしましょう。
スタッフがどういう環境で働きたいかというニーズを意識して、待遇改善・職場環境づくりをして、適切にPRすることが重要です。
採用に関する情報や働く環境について公式サイトにまとめておくことは必須ですが、自社に興味を持ってもらい公式サイトにたどり着いてもらうための入り口が必要になります。
では自社を認知してもらうPR方法や採用戦略にはどういったものが考えられるでしょうか。
美容師に特化した求人情報サイトへの掲載
特定の職業に特化した求人情報サイトはいまや当たり前ですが、美容師に特化しているものも多数あります。
テーマが統一されているサイトの方が専門性を示せるため検索上の評価も高く、検索結果上位に出やすくなっています。
美容師という職業に絞って求職している方からの認知の機会も当然増えることになります。
以下、美容師採用に特化しているサイトをいくつかご紹介します。
美容師求人.com
引用元:美容師求人.com公式サイト(https://hair-career.com/)
10,000件以上の求人情報を掲載。日本最大級の美容師専門求人サイトである「美容師求人.com」。
初期費用は0円。採用に応じて成果報酬という形で費用が発生します。応募対応や面接日程調整なども対応してくれます。
※費用例:正社員スタイリスト(月給×1.5ヵ月分)、アルバイト(15万円※週5日勤務の場合)
◆掲載についての詳細はこちら(https://hair-career.com/contents/ks-core2pc?waad=DwGOLJde)
リクエストQJナビ
引用元:リクエストQJナビ公式サイト(https://www.qjnavi.jp/)
求人情報だけではなく、美容師の業界情報やニュース、トレンドなどの情報発信もしている「リクエストQJナビ」。
幅広い情報コンテンツがあることや、雑誌も刊行している点で、美容師に対する接触機会や認知度も高くなっています。
掲載費用の詳細などは明示がなく、お問い合わせ・資料請求が必要なようです。
◆掲載についての詳細はこちら(https://www.qjnavi.jp/kigyou)
ビューティーキャリア
引用元:ビューティーキャリア公式サイト(https://beauty-career.jp/)
美容系職種の求人情報を扱う「ビューティーキャリア」。初期費用や掲載料は無料で利用が可能です。
採用が決まり次第報酬が発生する形態になっています。
※費用例:アシスタント(15万円 ※経験者の場合)、スタイリスト(20万円 ※経験者の場合)、
一緒に働く人に着目した検索機能が非常に特徴的です。例えば出身学校や地元、趣味といった検索軸で美容室探しができるようになっています。
◆掲載についての詳細はこちら(https://beauty-career.jp/joblistings)
美プロ
引用元:美プロ公式サイト(https://www.kenkou-job.com/)
最短3日で掲載スタートが可能。低コスト定額制(採用課金は0円)で利用できるのが「美プロ」です。
美容系職種の求人情報を扱い、月間300,000人が利用しています。
「美容 求人」で検索1位(2020年12月現在)、「美容 転職」で検索3位(2020年12月現在)と上位表示をしており、求職者の目にも留まりやすくなっています。
◆掲載についての詳細はこちら(https://www.kenkou-job.com/com/)
※「美プロ」は弊社(Zenken)が運営しております。そのため集客戦略と採用戦略を一手に対応することも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
各種snsの活用
採用においても各種snsによる情報発信は有効です。また同じ投稿内容でもお客様・求職者双方に店舗のイメージや強みを伝えることができるため、やっておいて損はありません。
インスタグラム、Twitter、YouTubeチャンネルなどはもちろん、採用に重きをおいた発信であればFacebookも活用しましょう。
店舗の強みに合わせた発信内容にするとともに、公式サイトや採用ページへのリンクもしっかり設置してください。
美容学校生に向けたPR
新卒採用に関しては美容学校に対するPR活動が重要かつ必須です。
パンフレット配布などはもちろん、学校訪問や説明会の実施などが考えられます。
上記のPR活動自体は取り組まれているところが多いかと思いますが、ここでも他社との差別化を意識したPRができるかがポイントです。
新卒学生のニーズを分析し、そのニーズに応えられる自社の強みをしっかりと伝えましょう。
採用向けのオウンドメディアを制作する
採用戦略そのものを差別化する方法として、採用向けのオウンドメディアを制作するというものがあります。
美容師になりたい方の悩みや、転職を考えている美容師の不安や課題に対する、答えとなるような情報コンテンツを発信することで、認知度の向上や自社に対する信頼感をつくりだすことができます。
悩みや不安に対して、自社でどのような対策をしているか・環境づくりをしているかといったアピールをすることで、自然と自社の魅力を伝えられ、温度感の高い応募へとつながります。
選ばれる美容室になるための経営ポイント
集客・採用どちらの面においても、多数の美容室の中から自社を選んでもらう必要があります。
選ばれるためには、選ばれるための理由=バリュープロポジションの明確化が必須です。
バリュープロポジションとは、ユーザーニーズを起点とし、ユーザー(お客様・求職者)が求めているのに、競合他社は提供できていない、自社ならではの価値のことを指します。
差別化や独自化を目指す上で、バリュープロポジションを軸としたPRをすることは非常に有効です。
自社が攻めるべき市場も明確になり、相性の良いユーザーを狙って集めることができます。
またバリュープロポジションを明確にすることは、既存のスタッフに好影響を与えます。
勤める美容室の強みが明確になることで、お客様とのコミュニケーションの際に伝えるべき点が明確になったり、働きがいも感じてもらいやすくなるでしょう。
加えて経営理念や店舗コンセプト・ビジョンを示すことで、接客やサービスにもより統一性があらわれ、いわゆる店舗の色もはっきりとします。
フランチャイズに加盟をするのも手
既存の美容室の売上を上げるだけでなく、敢えて稼ぎやすいフランチャイズビジネスモデルに加盟をして新しい収益の柱を作るという手段もあります。
下記記事ではヘアカラー専門のフランチャイズも紹介していますので、少しでも気になる方はチェックしてみてください。
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