近年、BtoBの営業活動においてインサイドセールスが急速に普及し、外部委託(BPO)サービスの活用で効率的にリード創出や顧客育成を進める企業が増えています。本記事では、「インサイドセールスBPOサービス13選!」と題して、大小さまざまな企業が提供するサービスの特徴を一覧でご紹介します。
インサイドセールスのBPOを導入すれば、内製化ではまかないきれないリソース不足の解消やノウハウの獲得、営業効率の向上など、多くのメリットが期待できます。一方で、コミュニケーション体制やセキュリティ面、コスト面など注意すべきポイントもあるため、各社のサービス内容を比較検討しながら自社の営業戦略に最適なパートナーを見つけてください。
インサイドセールスBPOサービスの一覧
会社名 | サービスの特徴 |
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ワールドスタッフィング |
フルファネル型アプローチで認知から成約、その先までサポート
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セルメイト |
プッシュ型インサイドセールスでBtoBサービスの新規顧客開拓を加速 |
エムエム総研 |
休眠リードや失注顧客の追客・掘り起こしに強いBPOサービス |
アクセンチュア |
大規模な営業改革とAI活用で次世代型セールスを推進 |
EmpowerX |
SaaS・IT企業に特化した戦略立案と実行支援で事業成長をブースト |
SALES ROBOTICS |
インサイドセールス支援からBPOまで多彩なサービスを展開 |
3MA |
IT・外資領域でのエンタープライズ営業に強いBDR組織構築支援 |
セイヤク |
ウィルオブ・ワークのノウハウを活かした柔軟な営業代行サービス |
soraプロジェクト |
大規模リストも迅速にアプローチ可能、16年の実績コールセンター |
ビートレード・パートナーズ |
成果型営業代行でLTVまで視野に入れたセールス支援 |
BALES |
インサイドセールス特化で戦略構築から運用までノウハウ豊富 |
スグカケル |
月額2万円~、必要な時だけ依頼できるスポット型インサイドセールス |
コンフィデンス |
新規事業立ち上げからPMF、営業実行まで一気通貫でサポート |
インサイドセールスのBPOサービスとは
インサイドセールスとは何か
インサイドセールスとは、主に電話やメール、オンライン会議システムなどの非対面チャネルを活用して新規リードの育成や見込み度合いの高い顧客へのアプローチを行い、購買・契約につなげる営業活動のことを指します。従来の飛び込み営業や訪問販売、展示会での直接商談などは「フィールドセールス」に分類され、商談や契約の意思決定の場をリアルに持つのが一般的でした。しかし近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、企業が対面営業を減らし、オンラインで完結させる営業モデルを加速させています。
SaaS企業をはじめ、多くのBtoBビジネスでは見込み顧客の獲得からクロージングまでのプロセスをいかに効率的に進めるかが大きな課題となっています。その課題に対応する手段の一つがインサイドセールスの強化です。営業担当者が訪問に費やす時間とコストを削減しながら、より多くの見込み顧客とコンタクトをとり、興味関心度の高い見込み顧客を適切に育成し、商談の機会を生み出す役割をインサイドセールスが担います。
BPOサービスとは何か
BPO(Business Process Outsourcing)サービスとは、企業が自社の業務プロセスの一部または大半を外部企業に委託する形態を指します。経理や人事、カスタマーサポートなど、専門性が高いものから、定型業務・管理業務まで幅広く外注できるのが特徴です。近年の日本では、慢性的な人材不足を背景に、専門スキルをもった外部企業へ業務を委託する動きが加速しています。
BPOを活用するメリット
企業がBPOを活用する狙いは大きく次の4点です。
- コスト削減:自社で人材を採用・育成するよりも、アウトソーシングしたほうが安く済む可能性がある。
- 業務効率化:専門企業のノウハウやシステムを活用し、プロセスの効率を高める。
- スピードアップ:リソース不足で滞っていた業務を、外部リソースを利用して短期間で推進できる。
- コア業務への集中:自社で抱える必要がないバックオフィス業務などを委託し、コア業務に注力できる。
インサイドセールスのBPOサービスとは
インサイドセールスのBPOサービスは、企業がインサイドセールスを強化・拡大したいものの、社内に十分なリソースやノウハウがない場合に、専門の代行会社・アウトソーサーを活用する形態を指します。具体的には下記のような業務を委託できることが多いです。
インサイドセールスのBPOで委託できる業務
- リードリストの整備・管理:営業候補リストをCRMやMAツールから抽出し、セグメントを分けてプライオリティをつける作業など。
- 見込み顧客(リード)への電話・メールアプローチ:初回コンタクトやフォローアップ、オンライン商談設定、資料送付など。
- 商談機会(アポイントメント)の創出:見込み度合いが高い顧客とのアポ取り、オンラインデモや説明会への誘導など。
- フィールドセールスとの連携:インサイドセールスで育成した見込み客の情報を商談担当へ引き継ぎ、契約までの橋渡しをする。
- インサイドセールス全体のPDCA運用:KPIの設定・トラッキング、スクリプトや営業トークの改善、ナーチャリングシナリオの立案など。
自社の営業担当者を増員する代わりに、必要な部分だけを外注することで、立ち上げコストや運用コストを最適化しながら営業活動を進めることができるのが特徴です。特にSaaS企業の場合、プロダクトのアップデートサイクルが早く、継続的な顧客教育やオンボーディング、アップセル・クロスセルが重要となるため、インサイドセールス体制を拡張したい企業のニーズは年々高まっています。
インサイドセールスのBPOサービスのメリットとデメリット
メリット
専門ノウハウの活用
インサイドセールスのBPOサービスを提供する企業は、さまざまな業種・規模のクライアント案件を手掛けることで独自のノウハウを蓄積しています。電話やメールでのアプローチ術、効果的な話法やトークスクリプト作成、MAツールやCRMの最適活用といったスキルを駆使しながら運用を実施するため、短期的に成果を出しやすいことが大きなメリットです。自社だけで試行錯誤する場合と比較して、PDCAサイクルをスピーディーに回しやすくなります。
コストとリソースの最適化
インサイドセールスの組織を自前で構築する場合、人件費や採用コスト、教育コスト、マネジメントコストなどが多大にかかります。また、営業支援ツールやテクノロジー導入、評価制度の整備など、導入時の初期費用も発生します。一方でBPOサービスを利用すれば、必要な人数やスキルセットだけを外部に依頼し、契約期間や業務範囲も柔軟に調整できます。そのため、固定費を抑えつつ、プロジェクト単位で費用を変動させやすい利点があります。
迅速な立ち上げ
BPOサービスを提供する会社は、すでにインサイドセールスの運用体制と人材を確保しているケースがほとんどです。そのため、社内でゼロから担当者を育成し、組織を作り上げるよりも、短期間でプロジェクトをスタートできます。特にSaaS市場のように動きが早い業界では、タイミングを逃さずに営業活動を強化できるかどうかが競合優位性に直結します。
高度なスキル教育や研修の内製化が不要
インサイドセールス担当者は、製品知識だけでなく、顧客心理やセールスプロセス全般の理解が求められます。また、コールドコールやメールマーケティング、オンライン商談での話法など、幅広いスキルが必要です。自社で新たにインサイドセールス担当者を育成する場合、それなりの研修コストと教育ノウハウが必要になります。一方でBPOを利用すれば、既にスキルを持った専門人材をチームとして活用できるため、研修コストを削減しつつ即戦力を確保できます。
最新のツールやテクノロジーの導入が容易
インサイドセールスにおいてはMA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールス・フォース・オートメーション)、CRMなどのデジタルツールが欠かせません。これらの最新テクノロジーを自社で導入・運用するとなると、システム導入コストや運用ノウハウの習得が課題となります。BPO事業者はすでに多様なツールを活用し、クライアント企業に合わせた運用プランを構築しているケースが一般的です。よって、ツール選定からシステム構築、運用までを一括で任せることができ、スムーズにインサイドセールス体制を整備できます。
デメリット
自社のノウハウ蓄積が限定的
BPOを利用することによって専門家のスキルを活用できる一方、自社でインサイドセールスのノウハウが蓄積されにくいというデメリットがあります。例えば、顧客の反応をリアルタイムで把握しにくく、フィードバックループが外注先のレポート頼みになる場合、社内で「このトークは効果があった」「このメール施策は反応が悪かった」といった経験値が蓄積されづらいです。将来的に内製化を目指す企業にとっては、この点は大きな検討課題となります。
自社の製品・サービス理解に時間がかかる可能性
BPO事業者は業界ごとの営業スタイルやトークスクリプトに慣れているものの、あくまで外部の人間であるため、自社の商品特性や競合との比較ポイント、顧客の課題などを正確に理解するには一定の時間と情報提供が必要です。特に製品のカスタマイズ性が高いSaaSや、専門性が強い業界の場合には、正しい提案や適切なトークを行うために綿密な知識共有が不可欠となります。
コミュニケーションロスのリスク
外注先とのコミュニケーションが不十分な場合、インサイドセールスの過程で得られた顧客情報や反応を自社のフィールドセールスチームへ上手く連携できない可能性があります。BPO事業者が定期的にレポートを提供していても、担当者間の温度感やニュアンスを細かく共有できないケースがあり、商談クオリティの低下を招くこともあります。コミュニケーション体制が整っていないまま進めると、せっかくの機会を逃してしまうリスクがあるのです。
セキュリティや情報管理の課題
見込み顧客リストには多くの個人情報や企業の商談情報が含まれており、十分なセキュリティ体制が求められます。BPO事業者へこれらの情報を渡すにあたって、情報漏えいリスクやデータ管理体制への不安が高まるケースがあります。契約書やNDA(秘密保持契約)を結ぶのは当然のことですが、内部統制やセキュリティ施策をどこまで担保できるかを事前に確認しなければなりません。
インサイドセールスのBPOサービスの選び方
ここからは、実際にインサイドセールスのBPOサービスを導入しようとする際に、どのような基準で選べばよいかを解説します。サービスごとに特徴や強みが異なるため、次のポイントを押さえて比較検討することが重要です。
目的・目標の明確化
まずは自社がBPOサービスを活用して「どのような成果を得たいのか」を明確にしましょう。
- 新規リードの獲得数を増やしたいのか
- 見込み度合いの高い顧客数を増やしたいのか
- オンライン商談の数やクロージング率を向上させたいのか
- 社員のリソースをコア業務へ集中させたいのか
ゴールを具体化することで、BPO事業者が提供するプランとのすり合わせがしやすくなります。また、KPI(例:新規リード獲得数、アポイント獲得数、商談化率、最終的な売上など)をどのように設定し、その数字をどの程度まで伸ばしたいかを事前に決めておくことが大切です。
実績と得意領域の確認
BPO事業者によって得意とする業界やソリューション分野が異なります。たとえば、ITやSaaSに特化した実績をもっている会社もあれば、製造業や金融業界に強い会社もあります。自社のサービスや業界構造に対する理解度が高いほど、スピーディーに成果を出しやすくなるため、相手企業が過去にどのような事例を持っているかを事前に確認することは非常に重要です。
また、BPO事業者の公式サイトやパンフレットで成功事例を紹介しているケースも多いので、それらの事例が自社の状況に近いかどうかをチェックします。具体的には「同じような業種・業界でどれくらいのリード獲得を達成できたのか」「商談化率や契約率はどれほどか」などの数字を把握できると、委託後のイメージを掴みやすくなるでしょう。
提供されるサービス範囲の確認
インサイドセールスのBPOサービスには、さまざまな範囲の業務が含まれます。単純にコールやメールだけを代行する事業者もあれば、戦略立案から運用、分析レポートまで包括的にサポートする事業者もあります。サービスの範囲が広いほど費用は高くなる傾向がありますが、逆に部分的な対応しかしてもらえない場合には、社内との連携コストや追加の人材投資が必要になるかもしれません。以下の項目を確認してみましょう。
- リードリストの作成・管理:ターゲットリストの精査や更新を代行してくれるか。
- アプローチ手段の豊富さ:電話、メール、オンライン商談アレンジ、SNSなど、多様なチャネルで顧客と接点を持ってくれるか。
- ツールの導入・運用サポート:MAやCRM、SFAなどのツール設定や運用ノウハウを提供してくれるか。
- レポーティング・改善提案:定期レポートや、KPI達成に向けた改善策の提案までおこなってくれるか。
自社にどの程度のリソースがあるかによって、外注する範囲を選ぶ必要があります。内製化できる部分とそうでない部分を切り分け、コストパフォーマンスの高い組み合わせを検討しましょう。
コミュニケーションの体制とツール
インサイドセールスの運用では、常に最新の顧客情報を共有し、戦略をすり合わせていくことが重要です。そのため、BPO事業者とのコミュニケーション体制や使用ツール、連絡の頻度などを事前に確認しておく必要があります。
- 担当窓口やチーム編成:どのようなメンバーが担当し、どのように連絡を取るのか。
- 連絡頻度と会議設定:週次または月次などの定期ミーティングを行うか、アポイント状況の共有はどのようにおこなうのか。
- ツールの連携方法:CRMやMAツール上でリアルタイムにデータを共有できるのか、レポートはメールベースなのかダッシュボードなのか。
このあたりの体制がしっかりしていれば、余計なやり取りや情報ロスを最小限に抑えられます。
セキュリティ・情報管理の体制
BPO事業者に機密情報や個人情報を渡すうえで、セキュリティ体制は必ず確認しなければなりません。具体的にはISO27001(ISMS)やプライバシーマークなどの認証を取得しているか、情報漏えい対策や内部統制がどの程度整備されているかを確認しましょう。
また、顧客情報の取り扱い方針や、作業環境(オフィスのセキュリティ、テレワーク時の情報管理など)をどのように管理しているかについても質問し、納得のいく回答が得られるかをチェックすることが大切です。
費用対効果の試算
最後に、費用対効果(ROI)を試算してみましょう。BPOサービスの導入コストは月額固定や成果報酬、もしくは両方を組み合わせた料金体系などさまざまです。契約形態によって試算方法は異なるため、以下の項目を基準にして検討します。
初期費用と月額費用の確認
まず、BPOサービスの導入にかかる初期費用と月額費用を把握します。具体的には、以下の点を確認しましょう。
- 初期費用:システム導入や設定費用、研修コストがかかるかどうか。
- 月額費用:固定費なのか、稼働時間や担当人数によって変動するのか。
成果報酬の基準
成果報酬型のBPOサービスを利用する場合は、どの指標に対して費用が発生するのかを確認する必要があります。
- 獲得リード数に応じた課金
- 商談設定件数に応じた課金
- 契約成立件数(成約数)に応じた課金
自社の営業フローとマッチする課金体系を選ぶことが重要です。
想定リード単価・商談単価
1件あたりのリード獲得単価や商談獲得単価が、自社で想定しているコストと合致するかどうかを確認します。
- リード単価:広告運用や自社営業で獲得するリード単価と比較し、BPOのほうが割安であればメリットがある。
- 商談単価:商談1件あたりのコストが、内製の場合よりも適正かどうかを試算。
平均契約額やLTV(顧客生涯価値)の考慮
特にSaaS企業などのサブスクリプションモデルでは、1回の契約で生まれる収益(LTV)を考慮する必要があります。
- 平均契約額:1契約あたりの売上がどの程度か。
- LTV(顧客生涯価値):顧客が継続して利用する期間を考慮し、長期的な収益貢献度を計算。
短期的なコストだけでなく、長期的な利益を見据えてROIを計算することで、適切な判断ができます。
内製とのコスト比較
最後に、自社でインサイドセールスチームを立ち上げる場合のコストと比較して、「BPOに委託するほうがトータルで得かどうか」を判断します。
- 人件費(給与、福利厚生、採用コスト)
- 教育・研修コスト
- ツール導入・運用コスト(CRM、MAツールなど)
- マネジメント・オペレーションコスト
これらのコストを総合的に比較し、BPOの活用が費用対効果の高い選択肢であるかを判断しましょう。
インサイドセールスのBPOサービスのよくある質問
ここからは、インサイドセールスのBPOサービスを利用したいと考えている企業からよく寄せられる疑問をまとめます。実際の導入検討の際に役立つポイントを詳細に解説します。
BPOを利用すると自社の営業担当者は不要になるのか?
結論から言うと、完全に不要になるわけではありません。
インサイドセールスとフィールドセールスは役割が異なります。BPOでインサイドセールスの上流工程(見込み顧客へのアプローチやリードナーチャリング、アポイント獲得など)を外注し、一定以上の興味関心を示した顧客を自社の営業チームへ引き継ぐケースが多いです。そのため、自社営業担当の人数を削減できる可能性はありますが、契約交渉や細かな商談対応は依然として自社の営業チームの存在が必要です。特にSaaS製品のように導入後のサポートやアップセル、カスタマーサクセスなどが重要な商材の場合、最終的な折衝は自社が行うケースが多いでしょう。
BPO事業者はSaaSのようなIT商材に詳しいのか?
BPO事業者によって得意とする業界や商材は異なります。ITやSaaSに強い事業者は、MAやCRM、SFAなどの営業支援システムを自社でも多用しているため、商材知識や最新のテクノロジーへの理解が深い傾向にあります。ただし、SaaS製品は機能のバージョンアップや新機能の追加が頻繁に行われるため、常に最新情報を共有する体制が必要です。定期的なトレーニングや情報交換を行い、BPO事業者のメンバーが正しい知識をもって顧客に対応できるようにする工夫が求められます。
新規開拓だけでなく、既存顧客へのフォローも任せられるのか?
多くのBPO事業者は、新規リードの対応だけでなく、既存顧客のフォローアップやアップセル、クロスセルの提案など、幅広いインサイドセールス業務を請け負うことが可能です。ただし、既存顧客との関係構築は、自社独自の文化や過去のやり取りの履歴を理解してこそ効果を発揮する部分もあります。すべてをBPOに丸投げするのではなく、どの範囲を委託し、どこから自社が直接対応するかを明確に線引きすることが重要です。
最低契約期間はどれくらいなのか?
BPO事業者の契約形態にもよりますが、最低契約期間は3カ月〜6カ月程度と設定されているケースが多いようです。インサイドセールスは一朝一夕で効果が出るものではなく、リードの反応を見ながら施策を改善していくのが基本です。したがって、最低でも3カ月ほどの試用期間、場合によっては半年以上の契約を前提として成果を計測するのが一般的です。
成果が出なかった場合の対処は?
成果が伸び悩んだ場合、まずはKPIの確認と施策の見直しが重要です。インサイドセールスの場合、リードの質やリスト選定、アプローチ方法など、ボトルネックが複数存在する可能性があります。定期的にレポートを確認し、下記のポイントを見直しましょう。
- アプローチ対象のセグメントが適切か
- スクリプトやメールテンプレートが最適化されているか
- 商談設定後の顧客フォローが十分か
- BPO事業者とのコミュニケーションや情報連携が滞っていないか
もしこれらを改善しても成果が得られない場合、契約条件やプランの見直し、あるいは他社のBPOサービスへの切り替えを検討する必要があります。
セキュリティ的に注意すべきことは?
インサイドセールスのBPOサービスでは、見込み顧客の個人情報や企業情報など、機密性の高いデータを扱います。情報漏えいを防ぐため、以下の点に注意しましょう。
- BPO事業者がISO27001やプライバシーマークなどの認証を取得しているか
- NDAs(秘密保持契約)を結んでいるか
- 情報へのアクセス権限や取り扱いルールが明確になっているか
- セキュリティインシデントが起こった際の対応フローが策定されているか
万が一のトラブルに備えた対処方針を事前に確認し、契約書に盛り込んでおくことをおすすめします。
まとめ:自社の強みを活かしながら、外部の専門ノウハウをうまく取り入れる
インサイドセールスのBPOサービスは、SaaSなどのIT企業を中心に需要が高まっています。限られた自社リソースをコア領域に集中させつつ、外部の専門知識とスキルを活かして営業活動を強化するメリットは非常に大きいです。その反面、自社にノウハウが蓄積されにくい、情報連携に工夫が必要といった課題も見逃せません。
導入を検討する際には以下のポイントを意識することで、適切なBPOパートナー選びに近づけます。
ゴール設定とKPIの可視化
具体的にどんな成果を求めるのかを明確にし、定量化できる指標を設ける。
実績・専門性の確認
自社業界や商材に特化したノウハウがあるかをチェックし、成功事例を参考にする。
コミュニケーション体制の整備
担当者間のやり取りの頻度やツールを確認し、情報連携のロスを最小限に抑える。
費用対効果の試算
自社内製化とBPO利用のコスト比較を行い、ROI(投資対効果)を見極める。
セキュリティとコンプライアンス
機密情報を扱ううえで必要な体制を備えているかを事前に確認する。
BPOを活用することで、リードを効率的に獲得し、商談化率を高める体制を短期間で構築できます。しかし、一度外注すればすべてが解決するわけではなく、自社のビジネスモデルやターゲット顧客に合わせた継続的な最適化が欠かせません。BPO事業者とのパートナーシップを強化し、自社のフィールドセールスやマーケティングチームとも連携しながら、PDCAサイクルを回していくことが成功のカギとなります。
最終的には、インサイドセールスを外注しつつも、自社のナレッジをどのように蓄積し、成果を最大化するかが大切です。ある程度の期間BPOの力を借りて成果が伸びてきたら、その運用ノウハウを自社内に取り込み、より大きな売上増や顧客満足度向上を狙っていくのも一つの戦略です。自社リソースと外部リソースをバランスよく組み合わせながら、営業効率と成果を最大化するための取り組みとして、インサイドセールスのBPOサービスをぜひ検討してみてください。
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