現在、SaaSやITサービスを活用した営業活動が急速に広がっています。しかし、新規見込み客の開拓や既存顧客の育成には、専門ノウハウや人材リソースが不足し、成果が伸び悩む企業も多いようです。
本記事では、インサイドセールスやアウトバウンド営業を代行やアウトソーシングしてくれる各社を紹介し、それぞれの強みや特徴を整理しました。自社の営業課題を明確にし、必要なサポートを見極めるためのヒントが満載なので、
読んでいただければ、具体的な比較検討の糸口が見つかるはずです。
SaaS業界向け営業代行会社の一覧
会社名 | サービスの特徴 |
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BCC |
IT営業のプロを“即時”にしかも“長期”でアサインできる
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ワールドスタッフィング |
貴社の営業課題に応えるフルファネル型インサイドセールス支援
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セールスドライブ |
成果報酬型で挑む、SaaSスタートアップの成長パートナー |
ネオキャリア |
「営業部をアウトソーシング」という発想で、成長を加速 |
ビートレード・パートナーズ |
成果型営業代行でBtoB市場を切り拓く |
ジャパンプ |
「質」にこだわるテレアポと訪問営業で成果を追求 |
エフ・コード |
デジタルマーケ×Web接客でCVR改善と営業支援を両立 |
セレブリックス |
時代に選ばれ続ける営業手法であらゆる課題を解決 |
ウィルオブ・ワーク |
人材派遣大手グループの営業力で売上アップを実現 |
インプレックスアンドカンパニー |
“マネジメント機能を持つ”専属チームで営業を拡大 |
エッジコネクション |
テストマーケ+アポ獲得で段階的に市場を切り拓く |
スタジアム |
SaaS×IT特化のインサイドセールス代行で成果を追求 |
プロセルトラクション |
BtoB新規事業の立ち上げと営業活動を一気通貫で支援 |
パーソルビジネスプロセスデザイン |
営業×BPOでマーケ~セールス~CSまで一貫支援 |
EBAテック |
Web広告・サイト制作の知見を活かした営業代行 |
グローバルステージ |
営業と人財で新規事業をバックアップ |
アースリンク |
インサイドセールスに特化したクラウドCTIとノウハウ |
ビズリンクス |
オンライン営業アシスタントでマーケ&セールスを効率化 |
3MA |
IT営業プロフェッショナルが戦略~実行を一貫支援 |
SaaS業界向け営業代行の活動範囲
SaaS業界向けの営業代行と一口に言っても、その業務範囲は依頼先によってさまざまです。大きく分けると、リード獲得と育成(インサイドセールス)、商談アポイントの取得、商談対応・クロージング、さらには導入後のカスタマーサクセスやアップセルのサポートなどが挙げられます。
たとえば以下のような形態が一般的です。
リード獲得・育成特化型
マーケティング部門と連携しつつ、メール配信や電話アプローチ、SNSでのリードナーチャリングを代行。見込み度の高いリードのみを自社営業担当へ引き渡す。
アポイント取得~商談支援
インサイドセールスの体制を用意し、商談前のヒアリングやスケジューリング、さらに営業資料の作成などをサポート。実際の商談時には自社のセールス担当もしくは代行側の担当者がオンライン商談を実施し、契約クロージングを目指す。
包括的サポート型
リードジェネレーションからオンボーディング、さらにはカスタマーサクセスに近いアップセル・クロスセル施策まで一気通貫で代行。顧客の利用状況のデータを追いかけつつ、契約更新や追加導入を提案する。
営業代行範囲の決定が重要
SaaSは契約後に解約されず長く利用してもらうことが収益性を高める鍵となるため、営業代行の範囲が新規獲得だけなのか、それとも既存顧客の継続率向上までカバーしているかで依頼内容は大きく変わってきます。
外注と内製化のバランス
まずは自社でどこまでを外注し、どこからを内製化するのかを決めることが重要です。新規顧客の獲得を中心にするのか、カスタマーサクセスまで含めるのかを明確にし、最適な営業代行の活用方法を検討しましょう。
SaaS業界向け営業代行のメリットとデメリット
メリット1:ノウハウとスキルを即時活用できる
SaaSビジネスは営業プロセスにおいて、オンラインデモやウェビナー、Eメールマーケティングなど多彩な手段を使いこなす必要があります。SaaSに特化した営業代行会社は、これらの手法を活用した成功事例や失敗例を数多く経験しているため、成果につながるノウハウを即時に提供可能です。自社でゼロから内製チームを育てるには時間もコストもかかりますが、営業代行を利用することで、専門家集団のスキルを短期間で戦力化できるでしょう。
メリット2:コストの変動費化・固定費の削減
自社で営業チームを持つと、人件費、教育費、ツール導入費、オフィススペースなど、固定費が膨らみがちです。一方、営業代行は契約内容に応じて支払う成果報酬や月額費用が中心となり、必要な期間や範囲のみ外注できるため、コストを変動費化できます。特にスタートアップや新規事業としてSaaSを展開する際には、固定費を最小限に抑えて事業拡大のスピードを上げられる点が大きなメリットです。
メリット3:短期間で新規顧客獲得を加速できる
SaaS業界向け営業代行は、既にSaaSの商材を扱った経験や業界特有の営業トーク、提案ノウハウを持っています。そのため、リード獲得から商談化、クロージングまでのプロセスを効率的に回すことが可能です。特に新規顧客の獲得を急ぐ場合、既存チームの人員が足りない、あるいはノウハウ不足が目立つのであれば、営業代行の導入によって新規獲得を早期にブーストできる可能性が高まります。
営業代行のデメリット
デメリット1:ブランド価値・企業文化の共有が難しい
SaaS製品の営業においては、サービスのコンセプトや企業のミッション・ビジョンを理解したうえで、顧客と長期的な関係を築いていくことが求められます。しかし外部の営業代行会社に一部もしくは全部を任せる場合、十分に自社の価値観やブランドメッセージを浸透させることが難しく、営業時のトークやコミュニケーションが自社の想いと乖離してしまうリスクもあります。特に高額なSaaS商材やコンサル要素が強い商材の場合、企業カルチャーの理解不足から商談の質が下がる恐れがあるため注意が必要です。
デメリット2:機密情報や顧客データ管理のリスク
SaaS事業を進めるうえで、顧客情報や利用状況のデータは極めて重要な資産です。営業代行へ委託する際には顧客リストや商談データ、各種導入事例などを共有しなければならない場合が多く、セキュリティ面でのリスクを伴います。NDA(秘密保持契約)を結んだとしても、外部へのデータ流出リスクをゼロにすることはできません。代行会社を選ぶ際には、情報管理体制が厳格に整備されているかを事前に確認する必要があります。
デメリット3:コミュニケーションコストとスピードのギャップ
営業代行へ業務を依頼するにあたっては、どうしても外部企業との連携が生じるため、細やかなコミュニケーションが不可欠です。場合によっては、商品改良の最新情報やキャンペーン情報などをタイムリーに共有しなければなりません。こうしたやりとりが滞ると、機会損失や誤ったトークで商談を進めてしまうリスクが高まります。あらかじめ定期ミーティングやチャットツールを用いた情報共有のルールを整備しておくことが望ましいでしょう。
SaaS業界向け営業代行の選び方
1. SaaS業界での実績・専門性をチェック
営業代行会社はさまざまな業種の営業支援を行っていますが、SaaS特有の営業プロセスに関して豊富な知見を持つかどうかは大きなポイントです。たとえば、今までにどのようなSaaS商材を扱ったことがあるのか、どの程度の成果を出せているのかを確認しましょう。
成功事例と課題解決力の確認
成功事例だけでなく、うまくいかなかったケースや対応方針をヒアリングし、その課題解決力や柔軟性を測ることも重要です。SaaS特化型を標榜している営業代行会社なら、具体的なノウハウや成功モデルを提示してくれるはずです。
2. 代行範囲と自社内製化の線引きを明確にする
SaaSの営業プロセスは、リード獲得から契約後のオンボーディングや顧客成功まで長く続くため、どのフェーズを外注するのかを事前に定義する必要があります。
外注範囲の決定ポイント
- 新規リードの獲得・育成のみを代行するのか
- アポイント取得や商談のクロージングまでお願いするのか
- 契約締結後のアップセルやリテンション強化も任せたいのか
自社内で営業担当がどこまで対応できるかを見極めたうえで、代行会社へどこを依頼し、どこを自社で行うのかを切り分けましょう。外注する範囲が明確であればあるほど、代行会社との連携もうまくいきやすくなります。
3. コミュニケーション体制・報告サイクルを確認する
SaaS営業は短いスパンでPDCAサイクルを回し、改善を重ねることが重要です。営業代行会社を選ぶ際には、定期的なミーティングやレポートの頻度、どのようなKPIを共有するかなど、コミュニケーション面の取り決めがしっかりしているかを確認しましょう。
報告サイクルの重要性
たとえば、月次の営業報告だけでなく、週ごと、もしくはそれ以上に細かいサイクルでアクションを振り返るケースもあります。特に見込み顧客の段階では小まめなトラッキングと軌道修正が欠かせないため、その体制が十分整っている代行会社は信頼に値します。
4. セキュリティと情報管理体制
SaaS企業にとって、顧客データや開発情報は競合他社に流出すればビジネスに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。営業代行を検討する際には、情報管理やセキュリティの面でどのような配慮がなされているかを必ずチェックしてください。
確認すべきポイント
- NDAの締結
- データの取り扱いルール
- アクセス権限の設定
- オフィスセキュリティ
- コミュニケーションツールでの暗号化やログ管理
情報管理の甘い営業代行会社を選ぶと、万が一の情報流出リスクだけでなく、自社の信用失墜にもつながりかねません。
5. 料金体系と成果報酬のバランス
営業代行の料金体系は、「月額固定費+成果報酬」「完全成果報酬」「アポイント取得ごとの従量課金」など、さまざまなモデルがあります。SaaSの商材によっては、契約金額の一定割合を成功報酬とするケースや、リード1件あたりで課金するケースなども考えられます。
料金プランの比較
- 月額固定費型:安定したコスト管理ができるが、成果に関係なく費用が発生
- 完全成果報酬型:成功報酬のみのため初期コストを抑えられるが、条件次第では割高になる
- 従量課金型:アポイントやリード獲得ごとの課金で柔軟性があるが、コストが読みにくい
料金が安いことだけでなく、サービス内容や代行範囲とのバランスを比較検討しましょう。初期費用が高い代行会社でも、明確なKPIを設定し、結果を出していればトータルコストはむしろ抑えられる場合もあります。
6. カルチャーフィットと担当者の信頼性
SaaSビジネスは、企業の想いや製品開発のストーリーがセールストークに大きく関わります。営業代行の担当者が自社のカルチャーを理解し、エンドユーザーや購買担当者に真摯かつ納得感のある形で提案できるかどうかは、商談の成功率に直結します。
担当者の適性を見極める
- 担当チームや担当者との相性
- コミュニケーションスタイルの適合性
- 柔軟な対応力
商談のテストや、担当者との事前面談を行い、カルチャーのフィット感を見極めましょう。
まとめ
SaaS業界向け営業代行は、SaaS特有のサブスクリプションモデルや長期的な顧客関係にフォーカスしたノウハウを備えており、自社でゼロから営業チームを育てるよりも短期間で成果を出せる可能性があります。特にインサイドセールスやリードナーチャリングなどオンライン中心の営業活動に強みを持つ代行会社は、新規獲得を加速させつつ、自社のコア業務に集中するための時間を捻出できるメリットをもたらします。
営業代行活用のメリットとリスク
一方で、企業カルチャーの共有不足によるブランド毀損リスクや、顧客データを外部へ委託するセキュリティ面の懸念は避けて通れないデメリットです。そうしたリスクを最小限に抑え、最大の成果を得るためには、以下のポイントを総合的に検討することが不可欠です。
- SaaS業界での実績や専門性の有無
- 代行範囲の明確化
- コミュニケーション体制
- セキュリティ対策
- 料金体系
- 担当者との相性
SaaS市場の特性と営業代行の役割
SaaSは競合が多く、プロダクトのライフサイクルが早い業界です。常に新しい機能や利用スタイルが登場するため、スピードと柔軟性が求められます。もし、営業体制の構築やノウハウの蓄積に苦戦しているのであれば、SaaS業界向け営業代行の力を借りて、顧客獲得のブーストを狙うのは有力な選択肢です。
外注と内製のバランスを見極める
外注か内製化かで迷ったら、まずはテスト的に一部の工程だけを代行へ依頼し、成果やコミュニケーションのスムーズさを検証してみると良いでしょう。SaaS業界向け営業代行を活用することで、自社に不足しているスキルや人員を補完し、よりスピーディーに市場開拓を進められる可能性があります。
最適な営業代行の選定が成功の鍵
しかし依頼する際には、本記事で紹介したメリットとデメリットを再度洗い出し、リスク管理や選び方のポイントを押さえたうえで導入を検討してください。しっかりと情報収集と準備を行うことで、営業代行を最大限に活用し、SaaSビジネスを成功へと導く一助となるはずです。
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- 本記事は、2025年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。