健康診断の受託を増やすにはどうすればいい?健診者の増加につながるマーケティング手法とは

健康診断の受託を増やすにはどうすればいい?健診者の増加につながるマーケティング手法とは
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健康診断を提供している病院で、検診者を増やした集客・集患したいと考えている方も多いのではないでしょうか。この記事ではサービスとしての健康診断が置かれている状況と、自院のサービスを効果的にアピールするためのマーケティング施策を紹介しています。

キャククルでは、120を超える業界で集客実績を残してきた経験をもとにマーケティング・集客手法について情報を発信しています。受注単価の2.5倍アップなどを実現した施策も紹介しておりますので、マーケティングに力を入れたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

健康診断受託にまつわる背景

2020年は企業の健康診断だけでなく、自治体の健康診断や教育現場の健康診断も、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。

日本総合健診医学会および全国労働衛生団体連合会が調査したところ、健診の受診者数は前年同比で約30%減少していることがわかったといいます。健診者数は徐々に回復傾向にはあるものの、年内に健診や特定健診(特定健康診査)が終わらないケースもあるようです(※1)。

実際弊社でも健診の時期が後ろにずれたため、一部社員は2021年に受診することになっています。

(※1)参照元:NHK NEWS Web「コロナで健康診断の受診率低下 前年同期比 30%余り減」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200929/k10012638881000.html)

またがん検診も同様に検査控えが生じており、日本対がん協会などがコロナ対策は万全なので安心して検診を受けて、というメッセージをチラシやポスターで発信しています。

おそらく各病院はコロナ対策を万全にしながら健康診断や特定健診を増やしていかなければと、その対策に頭を悩ませているのではないかと思います。

厚労省が提言する「保健医療2035」は健診ビジネスには追い風

厚労省が提言する「保健医療2035」は健診ビジネスには追い風
政府は超高齢化社会の医療費を削減するための施策として、「予防医療」に力を入れることを明言しています。

厚労省が発表している「保健医療2035」では、日本が世界の保健医療を牽引し、2035年に向け健康先進国を目指すビジョンを掲げています。

疾病の治癒と生命維持を主目的とする「キュア中心」の時代から、慢性疾患や一定の支障を抱えても生活の質を維持・向上させ、身体的のみならず精神的・社会的な意味を含めた健康を保つことを目指す「ケア中心」の時代への転換
引用元:厚労省「保健医療2035」公式サイト(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/future/)

厚労省は保険医療にもパラダイムシフトが必要であるとして、治療そのものの捉え方に対しても、上記のようにケア中心にシフトすべきであるとしています。

このほかにも質の改善や患者の価値中心などを掲げ、さまざまな提言を行なっているのです。

まだまだ社会への発信が不足している感がありますが、健診事業者や健診機関となる病院関係者にとって、特定健診による予防医療と治療の質向上をアピールできる材料にはなるはずです。

ただ、国の施策をそのまま声高に唱えるだけでは、健診者を増やすことはできません。そこでまずやっていただきたいのが、病院のスペックを確認することです。

企業や個人がそこで健診を受ける理由があるか

貴院は駅から近いでしょうか。駐車場の台数は?健診や特定健診の受け入れキャパはどれくらいありますか?健診受診者のアフターフォロー体制はどうなっているでしょうか…。

ここで一度病院の機能や施設、アクセスなどに関する「棚卸し」をしてみることをおすすめします。なぜなら、健診者を増やす要素がどこにあるのかを見極めるために必要だからです。

個人にせよ企業にせよ、その病院を選ぶ理由はいくつかあるはずです。潜在顧客のニーズを掘り起こす前に、自院の潜在能力をまず机上に出してみる。

待合室が密にならないか。無駄な待ち時間は生じないか。検査項目や費用などで顧客メリットはあるか。

病院のスペックや能力を自分たちが完全にわかっているとは限りません。洗いざらい自院のスペックをリストアップしてみましょう。

そのうえで、競合となる健診センターや病院にどこが勝っていて、どこが負けているかを分析する必要があります。

健診の受託と健診者を増やすためにマーケティング分析は必須

健診の受託と健診者を増やすためにマーケティング分析は必須
前項で病院や健診センターの棚卸しが必要だと説明したのは、これからの健診ビジネスにはマーケティング分析が必須であり、そのためにはまず自院の強みだけでなく競合を含めた市場全体の把握も大事だからです。

ビジネスの戦略を立てる上で行なうマーケティング分析にはいくつかのフレームワークがあるのですが、ベースとなるワークフレームが「STP分析」です。

STP分析とは、セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったもので、著名な経済学者であるフィリップ・コトラー氏が提言したフレームワークです。

コトラーはマーケティングの父と呼ばれ、マーケッターで知らない人は、まずいません。

このSTP分析により導き出されるのは、「自社が誰に対して(ターゲティング)どのような価値提供(ポジショニング)を行なうのか」ということ。市場を細分化したうえで、勝てる市場で勝負に挑むための分析です。

STP分析以外にも、3C分析やSWOT分析といった欠かせないフレームワークがいくつかあります。ここでは説明を割愛しますが、自院がどこでだれを相手に戦うのか、その戦略を立てるために有効な手法です。

マーケティングの上で大事となる「バリュープロポジション」

自院の強みをSTP分析などで見極めていく上で重要なのが、バリュープロポジションという概念です。

バリュープロポジションとは、自院にあって競合が提供できていない、顧客が求めている価値です。

バリュープロポジションのイメージ図

自院に強いがあっても、同じエリアの病院や診断センターに全く同じものを提供している競合がいれば、差別化を図って健康診断の受託を増やすのが難しいでしょう。この場合は、どちらがサービスをもっとも低価格で提供できているかという「価格競争状態」に陥りがちです。

しかし、自院には顧客のニーズとマッチした、競合にはない魅力があると、価格が低くなくても、その魅力に強い関心を持っている顧客を集めることが可能です。

また自院しかない魅力=バリュープロポジションが把握できたあとには、それを顧客に伝えるためのマーケティング手段も必要です。こちらを含めて、自院の強みの打ち出し方を考えてみてください。

自院の強みがアピールできる「ポジショニングメディア」

ポジショニングメディア事例ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください

ポジショニングメディアは、バリュープロポジションをベースにしたWebメディアです。ポジショニングメディアという名前は、STP分析の最後の段階、ポジショニング(市場における自院の立ち位置の確立)から来ています。

ポジショニングメディアでは市場を徹底に分析して上で自院が勝てる市場のセグメントを見出し、そのセグメントにいる顧客をピンポイントで狙って自院の強みを伝えます。

競合もあえて取り上げ、それぞれの強みを含めて解説することで、顧客の「比較検討したい」というニーズに応えながら、自院と親和性が高い顧客が自院に集まるという効果が見込めます。その結果ポジショニングメディアは、

  • 受注単価の2.5倍になった
  • 成約までにかかる時間が従来の3分の1に短縮した

といった成果を上げています。

従来の広告には、一定期間が経過すると集客ができなくなるという弱点がありますが、ポジショニングメディアの場合は24時間365日集客ができるため、ネット上に営業部隊を置くようなものです。

またポジショニングメディアは、顕在顧客と潜在顧客に同時にリーチが可能です。今は健康診断の委託を考えていないが、将来的には考えている…という顧客にもアプローチできます。

ポジショニングメディアについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページをご覧ください。

ポジショニングメディア
について詳しく

マーケティング分析で健診者を増やすためのサービス

検診車を増やすための手法は、ポジショニングメディア以外にもあります。ここでは、マーケティング手法による支援を行なう企業をご紹介します。

キャンサースキャン

キャンサースキャン

画像引用元:キャンサースキャン公式サイト(https://cancerscan.jp/)

株式会社キャンサースキャンは、人工知能技術を活用したマーケティング分析およびヘルスビッグデータを活用して、特定健診やがん検診の受診率向上を支援する事業を行なう会社です。

最新のデータ分析により、予防医療プロジェクト支援サービスの一環として、健診や特定健診の受診者を増やすことに成功しています。

受診率の向上には行動変容が重要であるという前提のもと、「ナッジ理論」(そっと後押しするという意味)を柱とした支援を実施。

過去5年間の乳がん検診未受診者に対するお知らせの内容をわかりやすいものに変えただけで、受診率がなんと130倍にも跳ね上がったという実績があります。

(※1)参照元:日経BP総合研究所「行動変容を促せ! これが健診・検診の受診率アップ事例」(https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00003/010800061/)

AIを駆使したマーケティング分析と健診ビジネスは一見無関係のように思えますが、パイの取り合いともいえる市場で勝つためには、高度な分析が必要であることが想像できると思います。

MEDIVA(メディヴァ)

MEDIVA(メディヴァ)

画像引用元:MEDIVA公式サイト(https://mediva.co.jp/kenshin/)

株式会社メディヴァは病院経営や介護施設の経営支援や戦略コンサルティング、予防医療や介護施設などの事業創造などをメインとした事業を展開しています。

健診センターコンサルティングサービスでは、健診センターの設立から受診者を増やす戦略立案、富裕層の獲得まで集客・集患を幅広くサポート。

同社の事業に賛同した病院経営者たちの協力を得て、実証に基づく分析を行なっています。

効率的な健診フローやオペレーションの改善、チームの生産性を上げるための組織構築、健診受託のための営業力醸成など、健診ビジネス以外の事業にも通ずる集客施策を提供。

同社は健診ビジネスや人間ドックには顧客分析とマーケティング分析に基づく戦略立案が重要である、と説明しています。

マーケティング実証の場をオンライン上に作る意義

ネット上には厚労省や一般財団法人日本予防医学協会などの組織、健診ビジネスのコンサル会社、マーケティング戦略会社、地方自治体などがそれぞれに有益な情報を発信しています。

コンサル会社が提供するノウハウには、顧客に送る小冊子やお知らせのはがきなどオフラインのものがいくつかありますが、これから先は新規営業先の開拓にも、オンラインを積極活用すべきです。

デジタル庁が本格始動すれば、いきおい医療の現場にも少なからず影響が出てきます。コロナ禍で世の中の激変・激動が続いているさなかで最新の情報に更新していく場は、やはりインターネット上しかありません。

刻々と変わる社会情勢に機敏に反応し、世の中の「困った、さてどうする?」に応えることができるようなメディアをひとつ持っていれば、それは健診ビジネスにに大いに貢献してくれるはずです。

ユーザーニーズを拾い上げる機会は多ければ多いほど取りこぼしが減ります。

できれば公式サイト以外に未病予防や予防医療、中高年層の健康維持に関する情報を発信しているポータルサイトに貴院情報を掲載するか、自院の強みや利便性をアピールできるポジショニングメディアなどを活用するとよいでしょう。

健康診断の受託と健診者の増加につながるマーケティング手法まとめ

健康診断の受託と健診者の増加につながるマーケティング手法まとめ
健康診断の受託や健診者を増やすために役立つ情報をお届けしましたが、ここで紹介している方法以外にもいくつもの対策はあると思います。また実際に施策を投下している病院やセンターも少なくないはずです。

2020年はコロナ禍で医療業界には激震が走りました。そして2021年もコロナとの付き合いは続きます。

このような世の中で人々の健康や未病予防に貢献できる健診ビジネスには、まだまだ収益拡大のチャンスがあると思います。

しかしそのためには変化をいとわず、改善や改革を進めなければなりません。ひとつの対策だけで解決する時代ではありませんので、二重三重に集客の網を張るべきです。

モノ言う顧客にWeb上で価値提供をしていく

だれもが簡単にインターネットから情報を取れるようになったことは、プラスの面だけではありません。知識がなくてもネットで調べればある程度のことはわかる時代です。素人だからわからないだろうと高をくくっているところがあるのだとしたら、そこからまず考え直すべきです。

モノ言う顧客(患者)に対して医療・健診もサービス業のひとつであると考え、ユーザーファースト、顧客視点のサービス提供を強化していく時機が到来しているのではないでしょうか。

健診者を増やすWeb戦略に課題を感じている、新規ビジネスの集客に悩んでいるなどどのようなことでもかまいません。下記問い合わせフォームにお悩みや課題などをご記入の上、お送りください。

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