製造業・メーカーがコンテンツマーケティングで集客成果を出す方法
最終更新日:2024年03月27日
製造業の経営者や営業担当者にとって、頭を抱える喫緊の課題ではないでしょうか。昨今では、自社製品をPRする方法として、Webを活用したコンテンツマーケティングを展開する企業が増えています。
インターネットでの情報収集や比較検討があたりまえのいま、24時間365日アピールできる場として、Webを使わない手はありません。
この記事では、製造業・メーカーが活用すべきコンテンツマーケティングのポイントや方法について解説しています。
また、コンテンツマーケティングの具体的な施策も紹介。コンテンツマーケティングを活用することで、自社の強みとマッチする顧客=成約に近い顧客を狙って獲得する戦略が可能です。
実際に「問い合わせからの商談率8割以上」「契約までの時間が1/3に短縮」といった成果のあった、ポジショニングメディア戦略をご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報発信をすることで、購買・申し込みをしてもらったり、見込み顧客をつくりだしたりするマーケティング手法のことです。
どちらかといえば、後者の見込み顧客をつくることが主眼に置かれ、継続的な情報発信で自社と顧客が接触するタイミングを増やし信頼感を醸成します。
ユーザーが必要とする情報発信をすることで、自社の存在を知らない段階でも知ってもらう機会が作れます。
さらに、ユーザー自身がまだ気づいていない価値をコンテンツを通して発見させることでニーズや市場をつくることも可能です。
最終的には、自社のファンになってもらい、継続的なユーザーとして定着させることが目的になります。
製造業(メーカー)こそコンテンツマーケティングに取り組もう
従来の製造業(メーカー)の営業は、既存顧客へのルート営業が中心のため、新たな顧客の開拓が課題でした。
部品などの中間財の場合、通常の消費財と異なり、店頭に並んでいるわけではありません。新規顧客に商品の存在を知ってもらうには、知ってもらう場が必要です。
しかし、そもそもどこにニーズを持った顧客がいるのかもわかりにくい現状にあります。
さらに昨今では、新型コロナウィルス流行の影響により、オンライン化が急速に進んだためWebを活用したコンテンツマーケティングの導入が益々求められています。
コンテンツマーケティングを始める前に
コンテンツマーケティングは、顧客が求める情報を発信するからこそ、その情報を探し求めている顧客が自ら集まってきます。
しかし、コンテンツマーケティングは、顧客を集めることが目的ではなく、あくまでも最終的なゴールは新規契約を結ぶことです。どんなに集客しても、成約に繋がらなければ意味がないことは言うまでもありません。
コンテンツマーケティングの手法も様々ありますが、始める前に決めておくべき重要なことがあります。それは、市場における自社の強みや、競合他社との違いを明確にしておくことです。
なぜ自社の強みを知ることが重要なのか?
コンテンツマーケティングは、Webを活用した集客方法ですが、既に導入している競合他社も数多く存在します。
ユーザーは自分が欲しい情報をWebで検索しますが、一見簡単に手に入る情報も、果して自分にとって最適なものなのか判断に迷うケースも少なくありません。
最終的には、商品(サービス)の購入がゴールですので、類似する商品(サービス)の情報を多数入手したらなおさらです。
だからこそ、自社商品(サービス)の強みや、競合他社との違いを明確にしておく必要があるのです。つまり、必要するユーザーから選ばれる理由を自社で作り上げることが大切です。
自社の強みを見つける方法
自社の強みと言うと、
- 当社には●●年の歴史を持ち信頼と実績がある
- 業界でも最新設備を整えており品質の高い製品が製造できる
といった、自社の特徴が「強み」と認識されることがあります。
自社のことを誰よりも最も熟知しているわけですから当然かもしれません。
しかし、選ぶユーザー側からの視点で捉えると別です。それは、選ぶユーザーが求めているものなのでしょうか?
- 貴社にとって本当に獲得したいユーザーは誰か?
- ユーザーが貴社の商品を欲しいと思える、他社にはない『強み』とは何か?
と問われると「分からない…」という企業が少なくありません。
本当に獲得したいユーザーにPRすべき「強み」が分からないままで、とりあえずコンテンツマーケティングを実施して多くのユーザーが閲覧してくれれば、「きっと誰かに伝わるだろう」と安易に進めてしまっているケースも多く見受けられます。
すると、「期待した反響が得られない」「反響はあるが成約にならない」といった結果を招いてしまいます。
このような結果は、誰でも避けたいもの。
そこで重要なのが、自社の強みを明確にする「市場環境分析」です。
市場環境分析とは、分かりやすく言うと、市場、お客様のニーズ、競合他社との違いを知ることで、事業の成功要因(強み)を見つける分析法です。次の3つのポイントを抑えることで分かります。
- ユーザーが本当に望むことは何か?
- 競合他社にはできないことは何か?
- 自社が提供できることは何か?
この3つのポイントを抑えることで、今まで見えていなかった、自社の市場における「強み」や、その「強み」を求めるユーザー像が見えてきます。
しかし、問題はその「強み」を必要とするユーザーにどうやって的確に伝えるかです。
自社の強みとユーザーニーズをマッチングさせる考え方
購買時にユーザーが気にするポイントは、いわゆるQCDに沿って選ばれています。下記に製造業における一例を挙げますので、コンテンツマーケティングを展開する際の自社の強みを見つけ出すヒントとしてお使いください。
Quality(品質)
- 耐久性: 製品が長期間にわたってその性能を維持し、故障や劣化が少ないこと。特に自動車産業や建築資材などの分野で重視されます。
- 精度: 機械部品や電子部品など、高い精度が要求される製品では、わずかな誤差も許されないため、製品の品質が極めて重要となります。
- 安全性: 食品業界や医薬品業界では、製品の安全性が最優先事項です。有害物質の不使用や衛生管理の徹底などが求められます。
Cost(コスト)
- 初期投資費用: 製造ラインの設置や新製品開発の際に必要な初期コストが低いこと。低コストで高い効果を得られる供給業者が好まれます。
- 運用コスト: 製品の使用や維持管理にかかるコスト。消耗品の交換頻度が低い、エネルギー効率が高いなど、運用コストの削減が可能な製品が評価されます。
- 全体コスト: 購入から廃棄までのライフサイクルコストを意識した製品選定が行われることがあります。初期コストだけでなく、維持管理費や更新費用も考慮に入れたコストパフォーマンスが重視されます。
他にも支払い方法が一括支払いか分割払いか、ランニングコストを抑えてスポットで支払うことが可能かなど、取引相手の予算感やキャッシュフローに応じて考慮できるポイントがあれば盛り込んでみましょう。
Delivery(納期)
- 納期の正確性: 注文から製品が届くまでの時間が短く、約束された納期を守ることができる供給業者が好まれます。納期遅延は、顧客の生産スケジュールに大きな影響を与えるためです。
- フレキシブルな対応: 突発的な注文や量の変更にも柔軟に対応できる供給業者が求められます。市場の変動や生産計画の変更に迅速に対応できることが重要です。
- 在庫管理: 在庫を最小限に抑えつつ、必要な時に迅速に製品を供給できる体制が整っていること。JIT(Just In Time)生産など、在庫コストの削減に貢献する供給業者が評価されます。
製造業におけるコンテンツマーケティングの具体的な方法
コンテンツマーケティングにおいて情報発信をするメディアについては、特に定まっているわけではありません。
自社ホームページやブログなどでも良いですし、各種sns、youtubeなど、際限はありません。
重要なのは一貫して「ユーザーにとって有益な情報を発信すること」です。メディアについては、あくまでターゲットに届けやすいものを選ぶという意識を持っておきましょう。
ただ製造業(メーカー)こその場合は、BtoBの取引となり顧客もまた企業であることを考えると、日々の情報収集はWebでの検索がメインであることは間違いないでしょう。
そのためGoogleの検索からの流入をコンテンツマーケティングの主軸として考えて、SEO対策をしたWebメディアでの展開を中心に考えてみてください。
ホームページを整える
コンテンツマーケティングを含むWebマーケティングにおいて、公式ホームページも重要な役割を担います。
ホームページをつくったは良いものの、まったく情報が更新されていない、伝えるべき情報がわかりやすくまとまっていない、といったことはよくあることです。
Webマーケティングにおいてのホームページは、様々なWeb広告やコンテンツからリンクされ、最後にたどり着く場所です。
顧客が購入・契約などの最後の決め手を探してホームページを閲覧していたとしても、情報が古い・わかりにくいと離脱されてしまい、せっかくのチャンスを台無しにしかねません。
どういった情報を目立たせるべきかというのは、上述した自社の強みが明確になっていると、構成もしやすくなります。
ホームページでコンテンツマーケティングを始めてみる
自社のホームページを自由に修正できるのであれば、まずはブログという形で情報発信をしてみるのが一番手軽でしょう。
ただし上述の通り、ユーザーにとって有益な情報を届けること、そしてSEO対策を意識してページを作成してください。
陥りがちな失敗としては、専門的な内容になり、読むのが難解な記事をつくってしまうことです。あくまで読み手であるユーザーの知識を前提にわかりやすい情報発信を心がけましょう。
製造業(メーカー)ならではのコンテンツ
実は製造業(メーカー)が発信するコンテンツは、顧客に求められています。どういったことかというと、製造業(メーカー)の商材は専門性が高く、外からでは調べにくい情報が多いからです。
例えば、測定機器や製造機械などの詳細な実験データや、実験風景などをコンテンツにするだけで、独自性が高く、かつ顧客となる企業が求めている情報になります。
また発信側としても自社では当たり前となっている知識やノウハウをコンテンツにするだけなので、テーマさえ見つかれば発信する情報のネタに困ることも少ないでしょう。
製造業(メーカー)のコンテンツマーケティング事例
コンテンツマーケティングを積極的に取り入れている製造業の、代表的な2社の事例を紹介します。興味がある方はぜひ直接サイトの方を確認してみてください。
キーエンス
画像引用元:キーエンス公式HP(https://www.keyence.co.jp/)
製造業の企業の内、マーケティング戦略が成功している代表格としては「キーエンス」が挙げられます。「静電気ドクター」や「ココが知りたい!形状測定」、「バーコード講座」といったオウンドメディアを複数展開。ユーザーが知りたい情報・興味を持ちそうな情報をコンテンツとして更新しています。
圧倒的な情報量かつ専門性のある内容で、関連するキーワードでの上位表示をかなえており、さまざまなニーズ段階の見込み顧客を幅広く集客しています。
ローム
画像引用元:ローム公式HP(https://www.rohm.co.jp/)
半導体や電子部品を扱うローム。電源設計技術者向けの情報サイト「Tech Web」や、電子工作や半導体について調べているユーザー向けの「Device Plus」といったオウンドメディアを制作しています。
上記の2サイトは、見ての通りターゲット層が明確に分けられており、どちらもターゲットユーザーの知識や興味に沿ってコンテンツを展開。企業としての専門性のアピールや信頼感の醸成に効果的なメディアとなっています。
コンテンツマーケティングを活用して自社とマッチする顧客を獲得
ここでは冒頭でお伝えしました「ポジショニングメディア戦略」をご紹介します。(上記バナーをクリックするとポジショニングメディアの詳しい紹介ページがご覧いただけます。)
ポジショニングメディアとは、競合とも見比べられるような形で、自社ならではの強みや独自の価値をわかりやすく伝えることで、市場の中での自社のポジション(立ち位置)を示すことができるメディアです。
ポジショニングメディアを見たユーザーに対して「〇〇といえば自社」と印象付けることが可能となり、ユーザー側は「自分のニーズに一番合っているのはこの会社だ」と納得して選ぶことができるようになります。
納得感を持って問い合わせてくれたユーザーは、すでに自社の強みを理解してくれているため、商談や成約にもスムーズにつながりやすくなります。
またポジショニングメディアでは、自社と相性の良いユーザーのニーズに応えるコンテンツマーケティングを実施。ニーズがマッチするユーザーの流入を促進し、そのニーズに応えられるベストな会社は自社と伝える、という流れで反響を獲得します。
実際にポジショニングメディアを導入した企業では、自社の強みをあらかじめ理解している問い合わせが増えたことで
- 受注単価が2.5倍になった
- 商談から契約までの時間が3分の1に短縮できた
- 問い合わせからの商談率が8割までアップした
といった成果を実感する声をいただいています。製造業のようなBtoBでも導入事例があり、次のような体験談も頂いています。
ポジショニングメディア導入企業様の体験談
以前は色んなWeb集客施策を行っていましたが、今ではほぼ全ての予算をポジショニングメディアに回しています。とはいえ、他の企業のように潤沢に予算があるわけではないのですが…今では400件以上の問合せをもらっています。
成約率は50%以上で、何よりも費用対効果もいい。最近では5000万円以上の受注が決まったので、ちゃんとうちの品質の良さが打ち出せていると実感しています。どうしてもBtoBは見積もりサイトや資料ダウンロード資料サイトしかなく、どうしても自社の良さを全面的に打ち出せずにいました。
こういうマッチすべきお客さんに対して自社を打ち出せる施策は、大変ありがたい存在だと思います。
製造業におけるポジショニングメディア導入事例
現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう
画像引用元:現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう(https://www.perforated-steelplate.net/)
「現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう」は、工場や倉庫の床、天井の目隠し材に使われる「有孔鋼板」をBtoB用に紹介。「有孔鋼板」のキーワードでSEO対策を行い、現在1位を獲得しているメディアです。(2022年1月現在)全14種類ある有孔鋼板を「歩きやすく安全性の高い床」「通気性・採光性のある床」「デザイン性のある外壁」など、発注者の用途に合わせて紹介。有孔鋼板を探しているユーザーがどの製品を購入すべきか、一目瞭然で分かりやすいサイト内容とコンテンツで構成されています。
コンテンツマーケティングによって、効率よくWeb集客をしたいという場合には、ぜひ、ポジショニングメディアの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
コンテンツマーケティングをより効果的にするために
コンテンツマーケティングと併用することで、認知向上や顧客獲得に相乗効果を発揮するものもあります。様々なマーケティング施策を絡めて、ビジネスを成長させていきましょう。
検索連動型広告・Web広告
いわゆるリスティング広告と言われる検索連動型広告や、資料請求サイトやポータルサイトなど広告に活用できるWebメディアなどは、認知向上の段階では非常に効果的です。
検索連動型広告では、関連キーワードで広告出稿し、コンテンツマーケティングを展開するオウンドメディアにリンクさせることで、セッションの向上やともなっての上位表示などにも寄与します。
またポータルサイトなどのメディアはすでに検索で上位表示されていることが多く、自社名を知らなくても認知してもらえるチャンスが増えます。
サイトに掲載依頼する際には、どういった検索キーワードで上位表示されているかも見てみてください。
競合優位性を明確にするマーケティングフレームワーク
消費者がモノを簡単に手に入れられる現在、製造業では特に、商材の競合優位性を明確にするマーケティング施策が必要です。
売れないからと費用を安くして、価格競争に陥ってしまうと、商材の質だけでなく事業の継続が難しくなる場合もあります。
マーケティングオートメーション(MA)
マーケテイングオートメーションとはその名の通り、マーケテイングを自動化することです。そのためのツールやサービスはいまや多数あります。
上述したリードナーチャリングにも関連しますが、マーケティングのすべてを人の手で対応しようとすると、漏れやムラができてしまったり、効果的なタイミングでコミュニケーションができなかったりなど、商機を逃してしまう可能性があります。
MAツールを導入することで、顧客の情報管理はもちろん、どういった資料をダウンロードしたか、いつコミュニケーションをとったかなどをツールで管理することができますし、顧客に合わせた情報配信なども自動で対応してくれます。
コンテンツマーケティングで獲得した見込み顧客を、しっかりと顧客へ、そして自社のファンへと育成するためには、ぜひ検討しておきたい施策です。
コンテンツマーケティングはスピード感が重要
Web検索からの流入を考えた際は、Googleに評価され検索結果に表示されるまで一定の時間がかかります。それゆえに、コンテンツマーケティングをやるのであれば、すぐにスピード感をもって対応することが重要です。
特に競合がまだコンテンツマーケティングをやっていないようであればチャンス。検索結果の上位に表示させやすく、アクセスが集まることでGoogleからの評価が高まるというポジティブなスパイラルがつくれます。
コンテンツマーケティングにも先行者優位が一定あるため、まだ検討段階であるならば、なるべく早くスタートさせてみてください。
早期の成果を目指すなら外注も視野に
コンテンツマーケティングには、Webサイトの構築ノウハウ、SEOの知識はもちろん、マーケティングに必要な分析手法や、そこから戦略を導き出す企画力など、多岐にわたるスキルが必要になります。
スピード感をもって市場シェアを取りにいくためには、自社内でスタッフを育成していては時間がかかりすぎるという点は否めません。
初期費用や制作費用はかかりますが、コンテンツマーケティングは成果につながれば非常に費用対効果の高い方法ですので、まずは戦略を相談してみるといった形で、外注を検討することは非常に有効です。
Zenkenでは、製造業やBtoB企業を含む120業種以上のWebメディアを通じた集客支援実績があり、そのノウハウを活かした、市場環境分析とマーケティング戦略のご提案を得意としています。
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