近年、ウェブサイトの開発や運営において注目を集めている「ヘッドレスCMS」。これは、従来のCMSとは異なり、コンテンツの管理と表示を分離したシステムです。ヘッドレスCMSを利用することで、より柔軟で効率的なコンテンツ配信が可能になります。
本記事では、各社が提供するヘッドレスCMSの特徴や機能、料金プランについて紹介します。ヘッドレスCMSの導入を検討する際の参考にしてみてください。
ヘッドレスCMSの一覧表
ここでは、さまざまな企業が提供する国産のヘッドレスCMSの特徴や料金プランを比較しています。自社に最適なサービス選びにお役立てください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
NILTO |
複数サイト管理を効率よく堅実に!大規模WEBサイトを運営する企業におすすめ
|
microCMS |
利用企業8,000社以上!快適なコンテンツ管理サポートでビジネスの成長を支援 |
Kuroco |
6,000社超の導入実績と培ってきたソースコードで時代に寄り添った新サービスを提供 |
Newt |
コンテンツ管理の新スタンダード!チームパフォーマンスを最大化する最新のWeb環境が魅力 |
HeartCore |
国内トップシェアを誇るサポート!直感的な操作性と効率性で企業の成長をフォローアップ |
Contentful |
複数のブランド・地域・チャネルを一元管理し、収益の最大化を叶える支援を提供 |
Hygraph |
無限のソリューションを迅速に構築し、コンテンツの可能性を最大限に引き出すサポート! |
Contentstack |
最先端のコンポーザブルコンテンツを使用してデジタル体験を革新!サイトの競争力強化に貢献 |
Shifter Headless |
WordPressの管理画面をそのままヘッドレス化!Jamstackベースのウェブサイトを迅速に構築 |
Prismic |
スピードと柔軟性で差別化!次世代技術を駆使してブランドマインドに適合したページ制作をサポート |
Storyblok |
コンテンツプロセスを最適化し、ビジネスコストの削済を実現をサポート |
Sitecore Experience Platform |
オールインワンDXPで市場をリードするWebサイトとデジタルエクスペリメントを構築 |
ヘッドレスCMSとは?
ヘッドレスCMS(Content Management System)は、従来のCMSとは異なり、コンテンツの管理と表示を分離して行うシステムです。通常のCMSは、管理画面と表示画面が一体化していますが、ヘッドレスCMSでは管理画面だけを提供し、表示部分はAPIを通じて自由にカスタマイズできます。この仕組みにより、異なるプラットフォームやデバイスに対して柔軟にコンテンツを配信することが可能です。
従来のCMSとの違い
従来のCMSは、ウェブサイト全体を一括管理する仕組みを持っています。つまり、管理画面からコンテンツの作成・編集・公開を行い、そのままウェブサイトとして表示されます。一方、ヘッドレスCMSはコンテンツ管理に特化しており、表示部分はフロントエンドの開発者が独自に構築します。ほかにも様々な違いがありますので表をご覧ください。
カテゴリ | 通常のCMS | ヘッドレスCMS |
---|---|---|
構成 | フロントエンド(見た目)とバックエンド(コンテンツ管理)が一体化 | フロントエンドとバックエンドが完全に分離 |
コンテンツ配信 | 主にウェブサイト向けに最適化 | APIを通じて多様なプラットフォームに配信可能 |
カスタマイズ性 | テーマやプラグインによる制限あり | フロントエンドの自由度が高い |
開発の柔軟性 | 特定の言語やフレームワークに依存 | 任意の言語やフレームワークを使用可能 |
パフォーマンス | 一体型のため、負荷が高くなる可能性 | フロントエンドの最適化が容易で、高速化しやすい |
セキュリティ | フロントエンドとバックエンドが一体のため、攻撃対象が大きい | コンテンツ管理部分を分離でき、セキュリティリスクを軽減 |
拡張性 | 機能追加に制限がある場合も | APIを通じて柔軟に機能拡張が可能 |
学習曲線 | 比較的簡単に使い始められる | より高度な技術知識が必要 |
コスト | 初期コストは低いが、大規模化すると高コストに | 初期投資は高いが、長期的にはコスト効率が良くなる可能性 |
ヘッドレスCMSのメリット
フロントエンドの自由度
ヘッドレスCMSを利用する最大のメリットは、フロントエンドの自由度が高まることです。従来のCMSでは、テンプレートやテーマに依存する部分が大きく、カスタマイズの幅が限られていました。しかし、ヘッドレスCMSではフロントエンドが完全に独立しているため、デザインや機能を自由に構築できます。 また、フロントエンドの改修時にはバックエンドに影響がでていないか確認しながらの改修が必要となりますが、ヘッドレスCMSならそれぞれが独立しているためバックエンドを気にせずに改修を行うことができます。
セキュリティの向上
従来のCMSでは、コンテンツ管理と表示が一体化しているため、攻撃者がウェブサイトのフロントエンドにアクセスできれば、バックエンドにも容易に侵入できるリスクがあります。一方、ヘッドレスCMSでは、バックエンドとフロントエンドが分離されているため、攻撃者が一方に侵入しても、もう一方には影響を与えにくい構造になっています。
表示速度が速い
ヘッドレスCMSは、従来のCMSと比較して表示速度が格段に速いという大きな利点があります。従来のCMSは、データベースへのアクセスや動的なファイル生成に多くの時間を費やす傾向がありますが、ヘッドレスCMSではこれらの処理が不要です。コンテンツは事前に生成された静的ファイルとして提供されるため、瞬時に表示が可能です。
マルチデバイスに対応が可能
ヘッドレスCMSはAPIをベースに更新するので、複数のデバイスごとに独自のフロントエンドの構築が可能です。WEBサイトだけでなく、Android、iOSアプリ、サイネージなど様々なチャネルに利用できます。
ヘッドレスCMSのデメリット
導入コスト
ヘッドレスCMSの導入には一定のコストが伴います。システムの導入費用だけでなく、フロントエンドの開発費用も考慮する必要があります。また、APIの利用料やサーバーの運用費用も追加されることがあります。大企業にとっては、初期投資がプロジェクトの規模に応じて増大することがあります。
専門知識が必要
ヘッドレスCMSの設定は従来のCMSに比べて複雑で、特にAPIの設定やフロントエンドとの連携部分には高度な専門知識が求められます。そのため、社内に広範な知識を持つエンジニアを配置する必要があります。こうした専門家の採用や外部への委託には、相応のコストがかかることを考慮しなければなりません。
維持管理のコスト
ヘッドレスCMSの運用には、継続的な維持管理が必要です。特に、APIのバージョンアップやセキュリティ対策、コンテンツの更新作業など、定期的なメンテナンスが求められ、運用コストが増加する可能性があります。
ヘッドレスCMSの選び方
サポート体制
導入後のサポート体制が充実しているか確認しましょう。特に、初期設定やトラブルシューティングのサポートが受けられるかどうかが重要です。ヘッドレスCMSの導入初期には、開発者や担当者が多くのサポートを必要とすることが考えられます。そのため、導入企業が提供するドキュメントやトレーニングプログラムの充実度、さらに迅速なサポートが受けられるかどうかも確認しましょう。
コスト
導入費用や運用コストを総合的に比較し、自社の予算に合ったものを選びましょう。導入時の初期費用だけでなく、月額料金や追加機能の利用料金など、長期的なコストも考慮する必要があります。また、将来的なスケールアップやカスタマイズに伴う追加費用が発生する可能性もあるため、その点も見越して予算を設定しましょう。
セキュリティ
APIを利用するため、セキュリティ対策がしっかりしているか確認することが重要です。データの保護やアクセス管理に関する機能をチェックしましょう。例えば、APIキーの管理やアクセス制御、データ暗号化の有無、ログイン認証方法などがポイントとなります。また、コンテンツのバージョン管理やバックアップ機能が整っているかも重要です。外部からの攻撃に対する耐性や、セキュリティパッチの迅速な提供体制も確認のポイントです。
ヘッドレスCMSに関するQ&A
Q1: ヘッドレスCMSの導入に適した企業はどのような企業ですか?
A1: ヘッドレスCMSは、複数のプラットフォームやデバイスにコンテンツを配信する必要がある企業に適しています。また、フロントエンドのデザインや機能を自由にカスタマイズしたい企業にも向いています。特に、eコマースサイトやメディアサイトなど、コンテンツの頻繁な更新が必要な企業に最適です。
Q2: ヘッドレスCMSの導入に際して注意すべきポイントは何ですか?
A2: ヘッドレスCMSの導入には、初期設定や維持管理に専門的な知識が必要です。導入前にしっかりと準備を行い、必要なリソースを確保しておくことが重要です。また、導入後のサポート体制が充実しているかどうかも確認しておきましょう。
Q3: ヘッドレスCMSの導入による具体的な効果は何ですか?
A3: ヘッドレスCMSを導入することで、フロントエンドの自由度が高まり、デザインや機能を柔軟にカスタマイズできるようになります。また、APIを通じて複数のデバイスに同一のコンテンツを一貫して配信できるため、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。
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- 本記事は、2024年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。