スタートアップの広報戦略の立て方、広報活動のタイミングを徹底解説!
最終更新日:2024年04月19日
自社の広報戦略を練る上で、「広報戦略の立て方や広報活動を開始するタイミングが分からない」と困っていませんか?スタートアップの広報戦略を、一から考えて始めようとなると様々な壁にぶつかってしまいますよね。
そこで本記事では、スタートアップの広報戦略の立て方や広報活動を行うタイミングを詳しく紹介します。さらに、スタートアップの広報活動の事例も解説しているので、他社がどんな広報活動を実施しているかを知ることができます。
スタートアップ企業に必要な考え方や広報活動に対しての理解が深まりますので、自社の広報戦略を検討中の方は必見です。
スタートアップ広報戦略とは
スタートアップにおいて大切な広報戦略とは売上を伸ばすことだけでなく、社会的な位置付けや認知度の向上を図ることです。
一般的な広報活動ではスタートアップでの自社の認知度を上手く上げることが難しくなっています。以下では、広報戦略の具体的な説明と、スタートアップで重要となる広報の役割について紹介します。
広報戦略とは
広報戦略とは社会的な評価を獲得し自社の価値を世間に認知させるためにプランを作成し、実行することを指します。
経営・事業戦略に基づいて策定されることが多く、一貫性を持たせた方針や目標を目指していくことが重要です。
そのためには、広報担当者だけでなく経営している方々や営業・開発担当者らが同じ指標で行動していくことが大切。一丸となって指標を策定し、それに向かって協力しながら突き進む必要があります。
ここでブレがあると、企業全体の芯がうまくまとまらず、方向性が定まらなくなってしまう可能性があります。
またスタートアップでは、プレスリリースといったメディアからの連絡を待つだけの広報活動は向いていません。なぜなら、スタートアップでは知名度や信頼度がまだ備わっていないため、メディアからピックアップされる可能性が低くなってしまうからです。
そのためスタートアップでは、プレスリリースを送るだけでなく攻めの気持ちで広報活動を行うことが大切です。
広報戦略を練って行動し、具体的な施策を策定することが重要となってきます。
スタートアップにおける広報の役割
スタートアップにおける広報の役割として一番重要となってくるのが、世間からの信用度を高めることです。信用度が低いのが原因で、銀行から融資が受けられなかったり、商品やサービスを利用してくれなかったりしてしまいます。
そのためスタートアップでは、世間からの信用度を上げる必要があり、広報活動によってその目標を達成することが重要となってきます。
大企業では時間をかけて世間からの信用度を獲得してきましたが、多くの時間をかけられるような企業はスタートアップでは少ないと思われます。
そこで、スタートアップでの信用度を上げるための効率的な方法として挙げられるのが新聞やテレビなどのマスコミに取材されることです。信頼度の高いマスコミに取り上げられることにより、安心できる商品や企業だということを世間に広めてくれるのです。
よってマスコミに取り上げられるような積極的で戦略的な広報活動を行うことが、スタートアップにおける広報の重要な役割となっています。
スタートアップの広報戦略のメリット
スタートアップの広報戦略のメリットは以下の3点です。
- 時代に合ったブランディングが構築できる
- メッセージに一貫性が生まれる
- 社内理解が得られやすい
以下では、上記の3つのメリットを詳しく紹介していきます。
時代に合ったブランディングが構築できる
メリット1つ目は、「時代に合ったブランディングの構築ができること」です。
戦略を立てずに広報活動を行った場合、上手くメッセージが伝わらなかったり意図しない捉え方をされてしまったりする可能性があります。その結果自社が思うようにブランディングを図れなくなってしまい、広報活動の意味がなくなってしまいます。
そのため広報活動には、戦略的なプランを立てることが重要。自社での広報における戦略的な計画を立てることで、その時々に合ったブランディングの構築を図ることができます。
さらに突発的なものではなく社会情勢も加味したブランディングを実施することで、長期的なスパンで世間の自社の商品やサービスの浸透を図ります。
メッセージに一貫性が生まれる
メリット2つ目は、「メッセージに一貫性が生まれること」です。広報戦略ではプランを立てるときに、経営者や営業開発担当者ら、会社の人々が協力し、目指す指標や目標を定めて策定していきます。
そのため、広報活動で発信するメッセージに一貫性を持たせることが可能。ブランディングの方針がぶれることなく活動を進められるので、一貫性のある広報を実施できます。
逆に広報活動においてメッセージにブレが生じてしまうと、発信する内容に一貫性がなくなってしまい、企業への信頼度を損なう原因にもなりかねません。
よってブランディングの方針に一貫性を持たせて、ブレのない発信を行うことが、広報活動において重要な点となってきます。
社内理解が得られやすい
3つ目のメリットは、「社内理解が得られやすいこと」です。広報戦略では活動における年間プランや実行した結果から得られる実績の数値化といった、広報に関する情報を可視化することが可能となっています。
情報が見えにくいと他スタッフから広報活動のことに対して興味を持ってもらいにくくなってしまいがちですが、情報が可視化されるため他部署からでも広報活動の動きを確認することができます。
また広報活動の情報を公表することで、他部署からの意見を聞くことも可能。様々な立場のスタッフから意見をもらえることで、新しい発見に繋がり広報戦略のプランの糧となる可能性もあります。その結果、社内理解が深まり社内での団結力や連携力も一段と高まるでしょう。
スタートアップの広報戦略はいつ行うべきか?
以下では、スタートアップにおける広報戦略はいつ行うべきかを詳しく紹介していきます。スタートアップでは広報戦略を実施することが重要となっています。またやみくもに行うのではなく、自社の成長具合によって、その都度活動を変更していくことが大切です。
創業期から広報視点で戦略的な情報発信が必要
まずスタートアップでは、創業期から広報的な視点で戦略的なプランを立て、情報発信を行うことが重要となってきます。
広報とはいわゆるコミュニケーションを指し、広報活動はターゲットとなる人たちにコミュニケーションを取りながら自社についての情報発信をすることです。
そして一番重要な点が、そういったコミュニケーションを通して向かうゴールを定めること。目標となる指標を設定し、そこに向かうためにはどう行動していけばいいのか施策を練りながら戦略的に行動します。
そのためには、経営者らが自社における広報の機能を理解し、前に立って指標となるゴールを定め、事業課題に臨むことが大切です。
ゴールを定めることで、目的が明確化され伝えたい相手やメッセージの作成、媒体を見定めることが可能となってきます。
企業ステージ別の広報活動
以下では、企業のステージ別に行うべき活動を紹介します。ステージには主に、「創業期」「事業確立期」「第1次成長期」「変革期」が挙げられそのステージによって広報が行うべき活動内容が異なります。
創業期
企業の創業期では、広報におけるビジョンやミッションを策定することろから始めます。
ビジョンやミッションが定まっていないと、ゴールがぶれてしまい、考えているような広報活動を行うことができなくなってしまう可能性があるからです。
また創業期から広報を担当する人を定めても良いですが、基本的には経営者らが前に立って自社のビジョンやミッションを策定することが大切です。
あらかじめ指標を定めておくことで、後から広報担当となった社員の方でも、その目標をゴールにした広報戦略を立てることができるからです。
またビジョンやミッションを定めることは、社外に対して自社の自己紹介をするようなものであり、広報の位置づけとなります。
ただ、創業期にはコピーライティングといったスキルはあまり重要視しなくても問題ありません。なぜならマスコミに向けての広報ではなく、発信するステークホルダーが限られているからです。
そのため、ターゲットとなる層に対してインパクトのあるメッセージを作成する方が効果的と言えるでしょう。
ステークホルダーとなる可能性がある人々に対して向き合いながら、分析を重ねて必要な要素を取り入れたり、排除したりすることで自社にとって最適なビジョンやミッションを策定できるでしょう。
事業確立期
ビジョンやミッションが策定され、ある程度自社における事業が確立された後には、事業広報を開始することが必要になってきます。マーケティング活動や営業連携を図る際には、マーケティングにおける数値目標を設定する必要が出てきます。
それには「ファネル」という考え方が存在します。顧客の潜在意識に働きかけることが広報担当、マーケティングで見込み客に対してアクションを起こし、営業担当が購買を検討させ、購入に至らせるという流れです。
この通りに担当者を配置することが重要ではなく、この流れや役割を理解しながら場面に応じて行動できるようにすることが大切となってきます。
第1次成長期
第1次成長期では、採用広報を開始する時期です。採用は企業の存続を左右させる重要なことであり、ただ単に人材を募集するだけではなくなってきています。
中小企業では有能な一人の求職者を数社で取り合いになっているため、求人倍率が高くなっている傾向にあります。つまり採用競争に負けてしまうと、求めている人材が確保できなくなってしまう可能性が高まっていうことです。
そこで大切になってくるのが、採用広報です。採用広報の目的は採用ではなく、採用した後の人材の定着率を上げること。そのために自社の内情や強みをブログやSNSで発信し、求職者に仕事の内容だけでなく会社の雰囲気を伝えることが重要となってきます。
また会社における価値観や、一緒に働く仲間を紹介することで、入職してからの不一致を避けられます。できるだけ企業と求職者とのミスマッチを減らし、入社後の定着率を上げて活躍する上で必要なサポートを行います。
変革期
変革期は、IR活動と連携した広報活動が開始される時期です。
広報ではIR発表後のお問合せ対応の事前準備をしておくことが重要です。また社内で対応ルールを設定し、社内で連携を取りながら対応を行うことも大切になってきます。
加えて、PR情報の開示の有無を設定。任意開示では、戦略的広報視点で株主や投資家に開示する情報を選んで決定します。重要な情報に目を通してもらえるように、広報担当者はIRと連携を図りながら、情報の発信頻度やコンテンツを作成する必要があります。
また、決算発表資料のチェックを行うことも広報の仕事です。IRとのダブルチェックを行うことにより、プレスリリースと重複している箇所がないか、数字に誤りがないかを確認することが可能。自社の情報に長けている広報担当者だからこそ、再確認をすることが重要となっています。
IR活動を行う際には、広報との連携が欠かせません。広報担当者はコミュニケーション力に長けており、IR担当者は会計業務に長けています。
お互いに得手不得手があるからこそ、協力し合うことでよりよいIR活動を実施でき、自社の成長にも繋がります。
スタートアップにおける広報戦略のポイント
広報戦略のポイントは以下の5点です。
- ターゲットを決める
- 態度変容を考える
- ターゲット像について考察する
- ターゲットへのメッセージを考える
- ターゲットに届ける方法を考える
広報戦略で重要なことは、コミュニケーションの設計です。広報の大切な仕事の内容は、ターゲットとなる方たちとコミュニケーションを図り、自社の商品やサービスの良さを伝えて、「この商品だったらこの会社」という位置づけを確立していくいくことです。
以下ではその設計に必要なポイントについて詳しく紹介していきます。
ターゲットを決める
一番始めのポイントは、ターゲットを決めることです。自社の商品やサービスを届けたいターゲットとなる人たちを、設定していきます。
その際、どんな人たちに自社の商品やサービスを届けたいのかを考えていくことが大切です。またターゲットとするのは、メディアなのか企業のマーケティング担当者なのかによって、今後の活動においても変わってくるので、しっかりとターゲットを決めていきましょう。
ターゲットを決めることは、自社の目標となる理想像を把握できることに繋がります。ターゲットに対して自社の良さを伝えるためには、自社のことについて分析し掘り下げる必要があります。
自社のメッセージやブランド、テーマなどを把握できることで、自分たちが何者であるか、求めている理想像とは何かを検討する機会にもなるでしょう。
態度変容を考える
ターゲットが決められたら、ターゲットとなる人たちに自社の商品やサービスに対してどう思ってほしいかを考えます。
ターゲットに関する情報は、待つだけではなく積極的に調べて把握できるようにしていくことが大切です。
ターゲットが取ってほしい行動を考えて決めることで自社がターゲットに対してどう思ってもらいたいかを明確化し、そのために広報が行動すべきことが浮き彫りになるでしょう。
ターゲットらに自社の商品やサービスが認知されてから購買に至るまでの態度変容を促すために、ターゲットとなる人たちに効率的に届けられる媒体を選定し、有益な発信を続けていきます。
ターゲット像について考察する
次に、設定したターゲットのことを考察し、その姿をより具体的にしていきます。具体的にターゲットを設定しないと、効率的に広報活動を行うことができなくなる可能性があります。
どんな環境下にいて、どんなことに時間を割いているかを問いかけることで、より具体的なターゲット像を確立させられます。その考察した結果に基づき、サイト設計を改めたり発信する媒体や内容を変更したりすることが大切です。
ターゲット像について考察して得た情報から分析していくことで次の行動を改善していき、ターゲット像をより明確に設定することが可能となります。
PDCAサイクルを回してより効果的にターゲットとなる人たちに効率的に発信内容を届けるためには、ターゲット像についての考察は欠かせないでしょう。
ターゲットへのメッセージを考える
ターゲット像が具体的に確立できたら、次はターゲットへのメッセージを考えます。
ターゲットとなる人たちに、どんなメッセージを届けたら自社の商品やサービスに興味を示してもらえるか、期待している行動をとってもらえるかを考えながらメッセージを作成することで、自社が理想としている結果に繋がる可能性が高まります。
その際、ターゲットとなる人たちが求めている情報を発信することが、重要なポイントです。必要としている情報を繰り返し発信することで信用度が高まり、ターゲットらに自社の商品やサービスに興味を持ってもらえるようになります。
ターゲットに届ける方法を考える
次では、ターゲットにメッセージを効率的に届ける方法を考えます。ターゲット像に基づき、効果的に説得力のあるメッセージを届けるためには、どのような媒体が一番最適かを検討していきます。
媒体にはオウンドメディア、マスメディア、セミナー、SNSなど様々な媒体が存在します。ターゲット像を元に媒体を設定し効率的に発信を行うことで、効果的な広報活動を図れます。
例えばメディアでの広告掲載を図る時に最適な方法は、プレスリリースです。ただ、単にプレスリリースを送ればいいという考え方ではいけません。プレスリリースを出すことは、社外に自社の商品やサービスを露出できるいい機会となり悪いことではありません。
しかしプレスリリースを出して満足するだけでは、効率的な広報活動を行っているとはいえないからです。プレスリリースはあくまでも、ターゲットに対してメッセージを届ける一環としての活動と捉えたほうが良いでしょう。
スタートアップに必要な広報ネタ
以下では、スタートアップに必要な広報ネタ6選を紹介します。広報活動をする上でのネタ作りとして、参考になれば幸いです。
新商品発売・新サービス開始
自社の新商品の発売や新サービス開始の情報は、広報ネタに最適です。自社の新商品や新サービスを発信することで、興味を持ってくれたターゲットがアクションを起こしてくれる可能性が高まるからです。
しかし注意点は、新商品や新サービスの概要や説明だけを発信すること。広報活動において、自社の情報をそのまま伝えるだけでは、ターゲットの心を掴むことが難しくなっています。
ターゲットらにより注目してもらいたいのであれば、新商品や新サービスの説明や概要と加えて「社会性」を盛り込むことが重要となってきます。
ここでいう社会性とは、人と人とのことではありません。自社の新商品や新サービスが社会においてどんな貢献をしてくれるのか、ターゲットらに対して新商品や新サービスを導入したらどのようなメリットがあるかを取り入れて紹介することが大切となってきます。
そういったベネフィットを提供することで、ターゲットの心に響き購買意欲を促すきっかけ作りに繋げていきます。
資金調達
次に紹介するネタは、資金調達についてです。スタートアップでは資金調達についてでも、ネタにすることができます。スタートアップが資金調達する先は多種多様となっていますが、主に返済が不要となっているベンチャーキャピタルから出資することが多くなっています。
実際にプレスリリースでは、「株式会社が○○億円の資金調達を実施」といった内容のコンテンツが多々あります。
ただニュース価値は調達した金額によって決められているので、メディアに取り上げられる最低金額が設定されており、億単位じゃないと取り上げられないそうです。
数千万単位では記事にならない可能性があるので、プレスリリースを作成する際には注意が必要です。
特許取得
続いては、特許取得です。特許取得については、広報として大きなPRネタとなります。特許取得できることで、同じ市場で争っている競合他社との差別化を図り、市場への他社の参入を食い止められます。
また特許権の侵害を恐れることから模倣による被害や重複を防ぎ、新たな利益に繋げることが可能。市場での自社の立場を確立させられ、社外に対しても大きなPRとなるのでプレスリリースを積極的に出してアピールしていきましょう。
特許取得のプレスリリースがきっかけで、自社の事業が魅力的だと感じた他社から事業提携の話を持ち掛けられることもあります。資本の限られた企業でも、大手と張り合えるような武器を手にすることができる可能性が高まります。
また特許を取得することでクロスライセンスにも繋がり、新たな商品やサービスの開発を期待できます。そのため、特許取得についてしっかりと発信していくことが大切です。
実証実験
スタートアップは行政と実証実験を行うことが多く、信頼度と注目度が高いためその内容はプレスリリースでよく取り上げられています。
実証実験とは、アイデアやコンセプトの実現性や期待した効果が得られるかどうかを検証する取り組みのことを指しています。実証実験の内容をプレスリリースで発信することで、取り上げられる可能性が高まり自社の宣伝ができる上、社外に露出が可能です。
新しいアイデアやコンセプトが確立されても、それらを問題なく実現できるかどうかを机上の議論上で判断することは難しいことです。そのため実際に出来上がった商品で小規模ながらも施策や実装といった実験を行うことで、実現可能性の判断を図っています。
実証実験を行うことは、スタートアップ企業にとっても重要なことなので、広報のネタとして積極的に発信していきましょう。
業務提携
もしスタートアップ企業が大手企業や自治体と業務提携することになったら、広報活動においてチャンスの時です。
提携相手である大手企業と同時にプレスリリースを出したり、共同で記者会見を開いたりすることで、世間からの注目を浴び自社の商品やサービスをより一層多くの人たちに届けることが可能。
また業務提携により資本的な面でも助けられるので、スタートアップ企業の事業拡大にも繋がり新たな一歩を踏み出すきっかけにもなります。
加えて大手企業のノウハウも培うことができるので、商品開発やサービスの施策を練る際に役立つでしょう。
大手企業による業務提携は、スタートアップ企業にとって嬉しいことばかりです。企業における一大イベントとして、積極的に情報発信していきましょう。
ユーザー事例
スタートアップ企業の広報では、大手企業に自社のサービスを導入してもらえたことも、「自社のサービスを○○株式会社様に導入していただきました」と、プレスリリースで出すことができます。
ユーザー事例を広報ネタにすることは、BtoB企業の広報活動において有効です。自社のサービスを検討中の企業に対して、導入事例を提供することで自社サービスの良い所を発信できるからです。
また自社のサービスの紹介でユーザー事例をまとめて記事にすることも、広報活動として大切なことです。宣伝だけではなく、実際に導入した企業の口コミを分かりやすく記載することで、読み手側も自社のサービスの参考と捉えてくれるので、さりげなく宣伝できます。
スタートアップの広報戦略3つの事例
以下では、3つのスタートアップの広報戦略の事例を紹介します。
- 事例①カミナシ(ノーコードで業務アプリをつくれる現場DXプラットフォーム)
- 事例②Holmes(クラウド契約システム)
- 事例③SmartHR(クラウド人事労務ソフト)
自社の広報戦略を練る上で、参考にしていただけると幸いです。
事例①カミナシ(ノーコードで業務アプリをつくれる現場DXプラットフォーム)
画像引用元:カミナシ公式サイト(https://corp.kaminashi.jp/news/pr_20220916)
カミナシは、現場の作業の流れをノーコードでチェックができる現場DXプラットフォームです。これまで手書きで行っていた作業をノーコードでアプリにして、現場での正しい作業の方法やデータの確認をリアルタイムで一元管理が可能。
製造や飲食といった業界を問わず現場の業務改善や品質の向上を図り、管理者と現場の人たちが効率的に作業ができるよう配慮されています。
カミナシは、広報戦略として専門誌に寄稿を実施。掲載されたPDF原稿を公式HPからダウンロードできるようにすることで、リード獲得を図っています。
大手メディアである日本経済新聞にも掲載されていますが、大手メディアはレッドオーシャンであり掲載希望者が多いのが特徴。一方専門誌に掲載されることで、狙いたいターゲットに対して的確にアクションを起こせます。
また寄稿であれば自社が伝えたいことを上手く伝えられ、かつマーケティングにも活用することで一石二鳥を図れます。
さらに一般的には企業のサービスの導入数が増えたり目立った効果が見えてきたりする際に公開を企画することが多いのですが、カミナシでは創業開始の早い段階からロゴ(事例)の掲載を図っています。
サービスが導入され始めてから企画を立てて掲載を打診しても、上手く話が進まないケースもあるので、導入された際の契約時にロゴの掲載を打診しておくことが望ましいでしょう。
そして信頼性の高いロゴのストックを作っていき、後に活用できるよう残しておくことが大切です。
事例②ContractS(クラウド契約システム)
画像引用元:ContractS公式サイト(https://www.contracts.co.jp/)
ContractSは、契約書に特化されたデジタルワークスペースContractS CLMを提供している企業です。電子締結から契約管理までの契約プロセスを最適化し、一元管理を可能としています。
契約書にまつわる業務を企業に合わせた形で対応可能。契約詳細に加えて過去のやり取りやステータスを可視化できるので、契約業務の効率化を図れます。また、契約業務にかかる時間短縮も実現。作成から承認、締結までを一元管理することで、迅速に契約ができるようになっています。
ContractSは広報活動としてロゴだけでなく、活用事例もコンテンツ化しています。顧客からの良い口コミを語ってもらうことで、信頼度を高めてサービスの導入率を上げる取り組みをしています。
例えば朝日インタラクティブが運営している「CNET Japan」でContractS CLMの顧客の事例が掲載されています。その記事をContractSの公式HPに転載し、詳細を読みたい方に向けて事前にプロフィールを入力してもらい、効果的にリード獲得を図っています。
また、「調査リリース」といった施策の取り組みも行っています。あくまでContractS調べという表記にしておくことで、専門誌やテレビからの関心を持ってもらいやすくなるようにしています。
ContractSでは、テレビや新聞にどうしたら取り上げられやすくなるかを分析し、コンテンツの一部として提供していくことでこのような露出を実現させました。
加えて大手メディアに掲載されることで、営業面でも円滑に業務を進められるようになり、さらなるリード獲得を図れるようにしています。
事例③SmartHR(クラウド人事労務ソフト)
画像引用元:SmartHR公式サイト(https://smarthr.jp/)
SmartHRは、人事・労務の業務効率化から人材のマネジメントまで手掛けているクラウド人事労務ソフトを提供している企業です。SmartHRでは、時間がかかる労務手続きから人事評価までの書類回収やチェックの効率化を図り、ペーパーレス化で大幅な工数削減を実現。
また職員のデータを一元管理することで、住所変更や扶養変更などを簡単に管理できるようになっています。
広報活動としてSmartHRでは、自社主催の大型カンファレンス「WORK and FES」を実施。独自のイベントや、キャンペーンを展開していることが特徴です。
こういった自社単独での仕掛けはある程度体力のある会社でなければ難しいのですが、「WORK and FES」がオンライン開催だったように、昔と比べると手軽に実現できるようになりました。
スタートアップでは、自社単独のカンファレンス開催を一つの目標にしても良いでしょう。
またSmartHRでは採用を強く意識しており、カンファレンスやヒストリーコンテンツの掲載を通して全社のブランディングを図っています。
例えば通勤手当の名称をユニークのある名前に変更し、それをリリースに出すことでテレビに取り上げられたことです。会社の働き方を良い方向で捉えられるようにして、結果的に事業に関しての認知度を向上させています。
こういったメディア向けのネタ作りでは、どのようなフックで興味を持ってもらえるか、最終的に伝えたいメッセージにどう結び付けていくかを考える「ブリッジ」と言われる手法を駆使して行うことが大切になってきます。
広報戦略で事業の拡大を図るには
スタートアップにおける広報戦略の立て方や広報活動を行うタイミング、広報戦略の3つの事例を紹介してきました。
スタートアップの広報戦略を練ることは、自社の商品やサービスの認知度の向上を図るために重要なポイントです。これまでの広報戦略のメリットや立て方を参考にして、今後の自社の広報戦略に活かしていただけたら幸いです。
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